
ぞぞさん
愛知県・小学5年生
名古屋市科学館には、世界最大のプラネタリウムや、マイナス30度を体験できる極寒ラボ、人口竜巻や放電現象が体験できる設備があります。私は工作や実験、料理が好きです。麹から甘酒を作ったり、「少年少女発明クラブ」で必ず起きられる目覚まし時計を作ったりしました。

どこが気になった?
私の気になる1社は、鹿島建設株式会社でした。
宇宙には地球との違いがたくさんあり、最も大きな違いは、重力のちがいだと知りました。重力はなくてもいいと思っている人もいると思いますが、重力は思っているより大事な存在です。もし背がのびるようになりたいと思っている人は宇宙に行ってみたら地球とのちがいに気付くと思います。重力の関係で圧縮されていない元の身長に戻るからです。7cm以上背が高くなった例もあるそうです。向井宇宙飛行士や毛利宇宙飛行士も、5cmほど背が高くなったそうです。しかし、地上でも寝ていたり、長く水中にいたりする場合、少し背が高くなるそうです。
もし重力のない状態、少ない状態で長期間過ごしていると、筋肉が弱くなる、骨がもろくなるため寿命が短くなるという問題点があります。
初めて知ったこと
鹿島建設が研究を進めている宇宙空間の施設では、その場の重力に最も適した形の施設で暮らせます。地球の1/6しか重力がない月だと、人工重力施設は花瓶の形になります。地球の1/3しか重力がない状態だと、ワイングラスのような形になります。そして無重力空間では、円筒形の形になるそうです。とてもおもしろいと思いました。
会社の人に聞いてみたいこと
私が質問したいことは、4つあります。
①宇宙で暮らすなら、人の寿命はどのように変化しますか。②鹿島建設が造る施設では1000~1万人が暮らせると書かれていましたが、その人たちはどのように選ばれると思いますか。③ルナグラスを造るためにはどれくらいのお金がかかりますか。④宇宙飛行士、もしくは宇宙の施設に携わる仕事をするには、どのようなことをするとよいと思いますか。
鹿島建設株式会社
イノベーション推進室 宇宙担当 大野琢也さん
ご質問ありがとうございます。まとめてお答えします。
宇宙居住による人の寿命については無重力と放射線の影響で悪い方向だと思います。細胞レベルでは寿命が延びるという研究もあるようですが、体全体としては骨粗しょう症等の老化は避けられません。そこで人工重力が役に立つといいと思っています。人工重力施設は選ばれた人が使うのではなく、地球の共有財産として世界中の人が自由に使えるようになることを願うもので、例えば、妊婦さんや地球帰還を控えた人のように必要な人が使えるものにしたいです。作る費用は現在の技術では莫大なものになるでしょう。新しい技術がないとそもそも作れないかもしれません。これから誰もが宇宙へ行く時代になったら、あらゆる分野の人材が必要です。自分の得意技をまず身につけて、それを宇宙へ生かせばいいと思います。宇宙の施設に携わる仕事を目指すのであれば、建築系の知識が役に立つと思います。

どんな会社だった?
私の運命の1社は、弁護士法人平松剛法律事務所でした。法律の専門家として人々や企業をサポートする、困りごとや課題を解決してくれる会社です。
初めて知ったこと
おしごと年鑑を読んで、ペットや子ども、デジタルについてのお仕事もあると知っておどろきました。特許申請のお仕事もできるそうです。正解はない中でのお仕事、論理的に考える力、たくさんの視点が必要になるのだとわかりました。
会社の人に聞いてみたいこと
私が質問したいことは、2つあります。
①2024年の司法試験は3779人が受けて1592人が合格したそうです。どのように勉強したら難しい試験に合格できますか。②自分にとって正義ではない弁護をする場合は、どうやってお仕事するのですか。
弁護士法人 平松剛法律事務所
弁護士 永澤友樹さん(東京事務所)
ご質問いただき、ありがとうございます。
①試験範囲が広く、必要な知識の量も多い司法試験では、「理解」と「記憶」の両方が大切です。考える力をつけることはもちろんですが、基本的な知識をしっかり覚えていないと応用もできません。同じ問題であっても何度も繰り返し解き、また自然とそのページの内容が浮かんでくるくらいまでテキストを見返して、ひたすら繰り返す勉強が重要だと思います。また、勉強だけでなく、ニュースなどを通じて「社会がどうバランスを取っているのか」を考える習慣も大切です。法律の勉強は、社会の仕組みの一部ですから、日ごろから「なぜそうなるのか?」と考えることが合格への一歩です。
②正義というのは立場によって変わるものです。自分にとっては納得しにくいことでも、社会全体のルールや法律の目から見れば正しい場合もあります。弁護士は、どちらか一方の味方というよりも、「法律のもとで公正な手続を守る」役割も持っています。依頼者の意見が法律に合っていないと感じたときは、そのまま受け入れるのではなく、正しい方向に導くように説明します。大切なのは、自分の正義を押し通すことではなく、両方の立場に専門家がいて、冷静に議論できる社会を守ることだと思っています。

動物園での仕事にも魅力を感じている。名古屋市の東山動物園で
20年後、私は宇宙に行き、人々が気軽に宇宙へ行ける時代をつくりたいです。修学旅行でも、特別な訓練を受けなくても宇宙に行けたらすてきです。そのために、私は建設や技術の力で、月面に滞在できる安全な基地や、誰でも利用できる宇宙ホテルのような施設をつくりたいと考えています。また、ロケットをより安く安全に打ち上げられる技術や、地球と宇宙をつなぐ交通システムを発展させることも必要です。現在は一部の宇宙飛行士や研究者しか行けない宇宙ですが、もっと多くの人が安心して宇宙を体験でき、観光や研究、暮らしの場として利用されることを目指します。