地図の企画・編集者 のしごと

2023.07.31 紹介します○○のしごと

ゼンリンの地図の企画・編集者、安部愛夢美さんの画像
企画編集する地図をチェックする安部さん=2023年1月18日、東京都千代田区
ゼンリンの地図の企画・編集者、安部愛夢美さんの画像

安部愛夢美さん

株式会社ゼンリン 商品制作編集部(東京都千代田区)

道案内だけじゃない地図作り

ゼンリンは、地図の元になるさまざまな情報を集めて活用する会社です。全国の情報をデータベースにして、そこから必要な情報を選んで地図を作ります。自動運転車のための地図や、ドローンを安全に飛ばす空の地図なども開発しています。

ゼンリンの地図といえば「ゼンリン住宅地図」。建物の形や、そこに住んでいる人の表札名まで調べられる細かい地図で、警察や消防、配達の現場などで広く使われます。

最近は、目的や使い道をしぼった地図を作りたいという企業や自治体の相談が増えているそうです。そうした要望にこたえて地図を企画編集し、デザインするのが安部さんの仕事です。去年手がけたのは、スポーツ競技場へのアクセスマップ。バリアフリー対応にしてほしいという要望でした。そこで、安部さんは車いす利用者も安全に移動できる、傾斜が少ない道を選びました。さらに、順路にある多機能トイレの案内も写真付きで掲載したところ、好評だそうです。

「情報が多すぎると見にくくなるので、情報をしぼりこみ、目立たせる工夫をした」と話します。「今後、地図の役割は大きく変化していきそうですが、これからも地図の可能性を探り続けたいです」

ゼンリンの地図の企画・編集者、安部愛夢美さんのおしごとの漫画

あゆみ

内気な性格ながら、公園などで体を動かすのが大好きでした。小学生の時にモデルハウスを見に行ったことがきっかけで、家の間取り図をながめて想像するのが趣味に。大学では、住環境や衣食住について学ぶかたわら、自転車ツーリングを楽しむサークルに入りました。目的地までの安全な道順や、立ち寄りスポットなどを調べるうちに、「知らない土地について知ることができる。地図って、なんておもしろいんだろう」と地図の魅力や可能性に夢中になり、就職先にゼンリンを選びました。

1994年
福岡県生まれ
2010年
福岡大学附属若葉高校の特進クラスに進学。部活には入らず勉強に専念。中でも好きな英語に力を入れた
2013年
広島大学教育学部人間生活系コースに進学
2017年
ゼンリンに就職。翌年、地図をデザインとしてあしらった商品の企画をする部署に配属される
2020年
地図を企画編集する部署へ異動
やりがいや苦労

情報にまちがいがないか何度も確認

安部さんが、地図を企画したり作ったりする時に使うのが、ゼンリンの地図データベースです。

ここには、全国にいるゼンリンの調査員が日々、歩いて集めた地図情報がたくさんつまっています。「調査員が苦労して集めた地図情報なので、地図に加工する段階でミスを出さずに、お客様に届けたいです」

万が一、地図にまちがいがあったら、目的地までたどりつけません。位置をしめす情報はずれていないかな? 文字は正しいかな? と、地図を編集する時は、何度も何度も確認するそうです。

クローズアップ
ゼンリンの地図の企画・編集者、安部愛夢美さんが仕事で使う文房具の画像
ミスを出さないよう、紙でチェックする時に愛用している文房具

※2023年3月27日時点の情報です。

2023.3.27付 朝日小学生新聞
構成・戸井田紗耶香
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
朝日小学生新聞のホームページはこちら