神主 のしごと

2023.02.01 紹介します○○のしごと

本殿の前に立つ亀戸天神社(東京都江東区)の権禰宜、小白川宮貴さんの画像
本殿の前に立つ小白川宮貴さん=2022年12月、東京都江東区
本殿の前に立つ亀戸天神社(東京都江東区)の権禰宜、小白川宮貴さんの画像

小白川宮貴さん

亀戸天神社(東京都江東区) 権禰宜

神様と人々つなぐ橋わたし

亀戸天神社(かめいどてんじんしゃ)は「学問の神様」として知られる菅原道真がまつられていて、受験生を中心に「学業成就」を願う人たちが多く訪れます。小白川さんは神主(かんぬし)の一般的な役職である権禰宜(ごんねぎ)を務めています。

小白川さんの1日は神社のそうじから始まります。朝は8時半に神社に行き、境内(けいだい)や本殿をきれいにします。

そうじが終わると参拝客の受け付け業務をします。窓口でお守りを授与したり、御朱印(ごしゅいん)を書いたりします。

おはらいを希望する参拝客が来れば、「本殿の前で神様に伝わる言葉『祝詞(のりと)』を読み、神様にお願いをします」。

午後5時になると本殿のとびらを閉め、片付けをして仕事を終えます。1~2月は特に多くの人が来るそうです。

小白川さんの実家は神社で、神主として働く父親の姿を見て育ちました。高校卒業後、亀戸天神社で実習生として働きながら、大学で神主になるための勉強をしました。将来は実家の神社をつぐことも考えています。

神社で結婚式を挙げた人が、安産祈願や七五三などで何度も訪れることがあるそうです。「神主はいろいろな世代の人と関われます。人と接するのが好きな人にむいていると思います」

本殿の前に立つ亀戸天神社(東京都江東区)の権禰宜、小白川宮貴さんのおしごと紹介した漫画

あゆみ

実家が神社で父が神主なので、神主の仕事は小さいころから身近でした。将来については高校3年になるまで考えていませんでしたが、「自分も神主になろう」と自然と決意し、神主になるために東京の大学に行きました。

実習生として朝から夕方まで亀戸天神社で働き、大学には夜通いました。自由な時間は少なく、いま思うとよくやっていたと思います。元々人見知りな性格でしたが、神主の仕事に関わり社交的になったと思います。近所の人たちとの交流を大切に、地域の方に愛されるような神主になりたいです。

1988年
秋田県生まれ
2001年
中学校に進学。野球部でキャプテンを務める
2004年
秋田県立秋田中央高校に進学。3年夏の高校野球秋田大会で準優勝
2007年
国学院大学神道文化学部に進学。神社の歴史や祭式の作法を学ぶ
2011年
亀戸天神社の神主になる。いまは主に参拝客の受け付け業務のほか、神社での結婚式を担当
やりがいや苦労

人生の節目に関われる

神主の仕事を「参拝者の方々と神様をつなぐ仕事」と表現する小白川さん。合格祈願などでお参りに来た人が後日、お礼参りに来ているのを見ると「よかったな」とやりがいを感じます。「ぼくが何かしたわけではないけどうれしくなります」

神社で挙げる結婚式「神前式」や七五三など、「大切な人生の節目に関われるのも魅力です」。

大変なのは、神社の歴史はもちろん、石碑のいわれや昔の亀戸などの知識が必要なことです。参拝客にたずねられることも多いため、答えられるように勉強しています。

クローズアップ
亀戸天神社(東京都江東区)の権禰宜、小白川宮貴さんが秋田をはなれ東京の大学に入る時に、実家の神社で神主をしている父からもらった笏(しゃく)の画像。おはらいをする時に持ちます
秋田をはなれ東京の大学に入る時に、実家の神社で神主をしている父からもらった笏(しゃく)。おはらいをする時に持ちます=2022年12月、東京都江東区

2023.1.9付 朝日小学生新聞
構成・正木皓二郎
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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