富永洋平さん
ローランド株式会社 Drums&Percussion(ドラムアンドパーカッション)開発部使いやすさやリアルな音を追求
ドラムはさまざまな大きさの太鼓とシンバルが一体になった楽器です。電気を使わないアコースティックドラムはたたくと音が大きくひびきます。一方で、電子ドラムはポコポコと小さな音しか出ません。楽器としての迫力ある「音」は、ヘッドホンやスピーカーから聞こえてきます。
電子楽器はそんな音を作るのも、使いやすい楽器に仕上げるのも開発者しだいです。富永さんは主に操作画面やボタンの設計、プログラミングにたずさわっています。
画面やボタンは「最初に目に入ってさわる一番近しい存在」。使う人の目線になるのが大切といいます。音がひびく長さや高さを自在に変える性能があっても、望む音色(音の種類)になかなかたどりつけない操作画面では「あつかいにくい」。ステージ上で瞬時に音を変えたいプロ向けなのか、家でゆっくり練習したい人向けなのかによっても、操作の方法を変えるそうです。
富永さんはアコースティックドラムのリアルな音やたたきごこちを再現するのを目標としています。一方で、電子楽器には無限に音の世界を広げられる魅力もあるといいます。「大きなステージの上で、自分が開発した楽器をアーティストに使ってもらう」夢も持っています。
母親がピアノの教室を開いていて、小学1年生でピアノと電子オルガンを始めました。中学を卒業するまで練習を続けました。高校1年の冬にエレキギターを買ってもらい、毎日ひき続けるほど夢中に。将来も音楽に関する仕事につけたらいいなと考え始めました。
大学は工学部に進み、軽音楽のサークルでバンド活動を始めました。ギターの機材にこだわるうち、ローランドの製品が多く使われているのに気づきました。「日本の会社なんだ」と分かり、入社を決意。好きな音楽を仕事に結びつけられました。
- 1995年
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長崎県出身
- 2010年
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長崎県立長崎南高校に進学
- 2013年
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九州工業大学(福岡県北九州市)に進学
- 2017年
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九州工業大学大学院に進学
- 2019年
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ローランド(静岡県浜松市)に入社
ソフトウェアの設計が重要
富永さんは学生時代にギターをひいていましたが、「知らない楽器をやりたい」と、たたいた経験がなかったドラムの仕事を希望しました。ソフトウェアを作るプログラミングも会社に入ってから勉強しました。ナノ秒(ナノは10億分の1)という小さな時間の単位で情報を処理します。最初はその考え方を理解するのが難しかったそうです。
電子楽器はソフトウェアがしっかり設計されていないと良い音を鳴らせません。スマートフォンなどのアプリと連動する楽器も増えていて、ソフトウェアが今後ますます重要になると感じています。
2022.4.25付 朝日小学生新聞
構成・松村大行
イラスト・たなかさゆり
毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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