人は毎日さまざまなシーンで汗をかきます。汗をかいて体から水分が失われると、体にどんな影響が起こるでしょう。また汗によって失われた水分はどのように補給するのがいいのか、大塚製薬に教えてもらいました。
- 体に関する仕事
- 健康を守る仕事
- 飲料を販売する仕事
人の体をつくる成分で最も多いのが水分。暑いときや運動によって体温が上がると発汗し、体温を一定に保つ働きをします。
人の体における水分の役割
私たちの体の60%は水分でできています※。50㎏の人ならば約30Lが水分です。体の中の水分は、1日に便や尿、呼吸から約2.5Lが体の外に排出され、その分の水分は水を飲んだり、食事をしたりして補うことで、バランスを保っています。体の中の水分は、下の図のように私たちの体の中で、とても大切な役割を果たしています。
※成人男性の場合
体の中の水分って何でできてる?
体内の水分には、塩分(ナトリウム)などのイオン(電解質)が含まれています。これらのイオンは、体内の水分量を調整したり、筋肉の収縮や神経伝達に関わったりしています。
体温調節の仕組みと汗のはたらき
体温調節の仕組み
皮膚の温度を上げて熱を外に逃がす
血管が広がり、皮膚の血流量が増えることで、体の熱を外に逃がします。
汗の蒸発
汗をかくことで、汗が皮膚から蒸発するとき、体の熱を奪い体温を下げます。
汗のはたらき
汗の大事な役割は体温を一定に保つこと。体温が上がり汗が出ると、汗が蒸発するときに、皮膚の表面の熱を奪っていきます。さらに冷たい空気によって体を冷やします。
気をつけよう!熱中症
体温が上がって、体の中の水分や電解質のバランスが崩れると、体温調節のはたらきが壊れ、めまいなどのさまざまな障害が起きます。その総称を熱中症といいます。その対策にはのどが渇く前のこまめな水分補給が大切。また、熱中症は真夏の炎天下だけではなく、「環境」「体」「行動」の3条件によっては、それほど気温が高くない日や室内でも起こることがあるので注意しましょう。
- 気温や湿度が高い
- 日差しが強い
- 閉め切った室内
- エアコンがない
風通しが悪く、蒸し暑い体育館や教室、家の中の気温が高いのは危険です。室内の気温にも注意しましょう。
- 体調不良
- 脱水状態(下痢や高熱など)
- 低栄養状態
- 肥満
寝不足、風邪、脱水状態になりやすい下痢など体調不良のときは体温調節機能が低下するため、気をつけましょう。
- 激しい運動
- 長時間の屋外での活動
- 慣れない運動
- 水分補給がしにくい
学校で起こる熱中症は体育やスポーツなどの課外活動中に多く発生します。活動前からのこまめな水分補給を心がけましょう。
水分補給におすすめの飲料は?
1. 汗をかいたときの、水分補給は、水だけでは不十分
体の中の水分には塩分が含まれているため、汗をかくと塩分も一緒に失われます。この状態で水だけを飲み続けると、体液濃度を一定に保とうとする体の働きによって、余分な水を尿として体の外へ出してしまい、体の水分の量が十分に回復できません。
- 1汗をかく
- 2水だけを飲む
- 3体液が薄まる
- 4喉の渇きが止まり、尿量が増える
2. <塩分+糖分>が入った飲料は水よりも吸収がすばやい!
口から飲んだ水分は胃を通って腸から吸収され、血管の中に入って体全体に行き渡ります。腸管での水分の吸収スピードを速め、長く体を潤すために必要なのが、塩分と糖分。これらの成分を一定量含む飲料が熱中症対策飲料としておすすめです。飲料の成分表示をみてみましょう。
市販の飲料を購入する際、成分表示を確認しましょう。
熱中症対策飲料の基準
食塩相当量100mlあたり0.1~0.2g
出典:日本スポーツ協会発行「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
汗をかく前からこまめに水分補給をしておこうね!
水分補給の大切さを粘り強く伝えていきます!
大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部
製品部 ポカリスエット担当 岩﨑央弥さん
大塚製薬は、「医療」と「健康」のふたつの分野をもっています。このふたつが協力して、世界の人たちの健康に役立つ、これまでにない商品を創りだしています。ポカリスエットは、医療の分野のノウハウを活かして生まれた健康飲料です。大塚製薬は、汗をかくときの水分・電解質補給の大切さを伝える活動を粘り強く続けています。皆さんも、正しい知識を身につけて、熱中症にならないように気をつけましょう。
汗をかいたときの正しい知識を身につけましょう。