豊島淳之介さん
バルテス株式会社 エンタープライズ品質サービス事業部ソフトを開発、「バグ」も確認
私たちの生活で欠かせなくなっているのがソフトウェアです。スマートフォン、ゲーム機、車。世の中のさまざまな機械でコンピューターを動かすために使われています。
ソフトウェアは主にシステムエンジニアやプログラマーが開発します。豊島さんはこうした開発担当者と協力して、ソフトウェアに不具合(バグ)がないかチェックします。ITエンジニアの中ではテストエンジニアと呼ばれます。
ソフトウェアはプログラマーが書くプログラムでできています。ボタンを押すと正しいページにとぶか、ページの中で余計な動作が起きないか、ページが切りかわる時間はちょうどいいか。使う人の立場になり、「使いやすさ」を意識しながら確認します。
不具合を見つけたら報告書にまとめ、プログラマーに修正してもらいます。不具合が直っているかもチェック。この作業をくり返すことで、安心して機械を使えます。
ほとんどの時間はパソコンの画面をにらみ、黙々と作業しています。もっともテストはチームで進めることもあり、何が不具合なのかを伝えるために「表現力」や「コミュニケーション力」が大切だと豊島さんは考えています。学生時代に絵や小説を書いた経験がいきているといいます。
小学生のころはまんがをかくのが好きで、作品を友だちと見せ合いました。中学3年生から小説を書き始め、高校生になると出版社のコンクールなどに投稿するように。大学では音楽バンドでドラムをたたきました。
パソコンを使うようになったのは大学生になってから。システム開発会社に就職して学んだプログラミングは論理的な考え方が大切で、「小説を書くのに似ている」と思ったそうです。開発エンジニアとして食品会社や銀行などの業務を管理するシステム作りを手がけた後、テストエンジニアに転職しました。
- 1984年
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神奈川県出身
- 2000年
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神奈川県立川崎北高校に進学
- 2003年
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拓殖大学(東京都文京区)に進学
- 2007年
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システム開発会社に入社
- 2017年
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バルテスに入社して、テストエンジニアに
お客さんの立場で考える
豊島さんはもともと、ソフトウェアを開発するエンジニアでした。むねをわくわくさせたのは「自分が書いたプログラムでものが動くおもしろさ」。いまプログラミングを学ぶ子どもたちにも大切にしてほしい感覚だと話します。
テストエンジニアは開発の仕事に比べて、より使う人に近い立場で考えられるのがやりがいだそうです。「開発者が良いものだと自信を持って追加した機能も、お客さんの立場からは『いらない』こともある」。実際の世の中でソフトウェアがどう使われるか、想像を働かせることが重要だといいます。
2021.10.18付 朝日小学生新聞
構成:松村 大行
イラスト:たなかさゆり
毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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