税金はなぜ払う?世の中にかかるコストを考える

2019.08.28 おしごとBOOK

しごとについての質問

税金は、500円以下ならいいけど……、もっと払わなきゃいけないの?(10歳・女子)

<答えてくれる人>児玉ひろ美(こだまひろみ)さん

公立図書館司書とJPIC*読書アドバイザーのふたつの立場から子どもの読書推進活動を展開。幼稚園・保育園から中学生まで、お話し会やブックトークの実践とともに、成人への講座や講演は年100回を超える。近年は短期大学にて「児童文化」「絵本論」の講義を担当し、「2021・2022・2023年度ブックスタート赤ちゃん絵本 選考委員」でもある。著作に『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)等があり、雑誌やWEB等でも連載中。

*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団

税金は、あなた自身のため、身近な人の安心のために使われています


『いのちと福祉のねだん』
著者:坂口美佳子
編:藤田千枝
出版社:大月書店
価格:2000円(税別)

10歳で税金のことを考えるあなたは、もしかしたら様々なニュースやできごとを見聞きして、税金を払うことに抵抗や疑問を感じているのかもしれませんね。そんなあなたにお薦めなのは「シリーズ:社会がみえるねだんのはなし」の第2巻『いのちと福祉のねだん』です。

プリクラは1枚400円ですが、レントゲン1枚はいくらかご存じですか? 給食は1食いくらでしょう? そのほか、突然死から命を守るAED1台の値段、救急車の出動1回にかかる費用など、命と福祉に関わる値段を通して、「社会のしくみ=税金の使い道」をわかりやすく説明しています。

税金があなた自身やあなたの身近な人の安心のために使われているのだとしたら、気持ちが少し変わりませんか? このシリーズは『くらしと教育のねだん』『スポーツと楽しみのねだん』などさまざまなテーマで6巻あります。今までとは違った視線で社会をのぞいてみませんか?

歴史をよく見てみると、税金の使い道も知ることができますよ


『絵で見る日本の歴史』
著者:西村繁男
出版社:福音館書店
価格:2300円(税別)

社会の仕組みと税金の関係が何となく見えてきたところで『絵で見る日本の歴史』を開いてみませんか? 10万年以上も昔の氷河時代、日本に最初に住んだ人たちから現代まで、なんと約3500人の生活する姿が描き込まれています。その姿をページを繰りながらたどってゆくと、家族単位の小さな暮らしがやがて、小さな集落となり、家と家を行き来する小道は外の集落とつながる道となり、橋ができ、人々の交流が始まります。

もちろん良いことばかりではなく、小さな争いや大きな戦争もありましたが、たどってゆくと個人の力では到底できなかったであろう大きな変化がたくさん見つかります。社会が整うためにはやはり、お金=税金が必要なのは、もうすでにお気付きですね。

ところで、子どもも税金を納めていることをご存じでしたか?  例えば100円ショップで買うときは108円を払っていますね。この8円が消費税という税金なのです。

さあ、納税者のみなさん、日本の歴史を知ることは日本の仕組みを知ることで、イコール税金の使い道を知ることなのです。