天然資源の枯渇や環境問題を解決するために、今求められているのが循環型社会です。その中心になる物質について、三菱ガス化学(MGC ※読み方はエムジーシー)に聞いてみました。
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メタノールという物質だよ。二酸化炭素(CO2 ※読み方はシーオーツー)や廃プラスチックを再利用するしくみの中心にあるんだ。
循環型社会とは、限りある資源を効率的に利用し、リサイクルなどで再利用することで、持続可能なしくみの社会を指します。そこで注目されている物質がメタノールです。
メタノールはメチルアルコールとも呼ばれ、アルコールランプの燃料としてよく知られています。しかしメタノールは工場での活躍のほうが多く、プラスチックや合成繊維など、生活に欠かせないさまざまな製品の原料として活用されています。
メタノールから何ができるの?
- プラスチック
- 合成繊維
- 接着剤
- 塗料
- 農薬
- 医薬品
- など
私たちの身近にあるいろいろなものが作られているんじゃ。
環境循環型メタノール構想ってどんなもの?
メタノールは天然ガスから作られることが多いですが、二酸化炭素(CO2)やプラスチックなどの廃棄物も原料になります。再生可能エネルギーを利用して製造した水素(H2 ※読み方はエイチツー)や、回収した二酸化炭素(CO2)、廃プラスチックを原料として作ったメタノールを「環境循環型メタノール」といいます。これで製品を作り、使い終わった製品からまた新しい製品が生まれることで環境循環型社会を実現します。
メタノールから製品ができて、使い終わったものからまた新しい製品ができるんだね!
メタノールが「万能選手」といわれる理由
メタノールは私たちの身の回りのさまざまなものに使われるだけでなく、将来のクリーンエネルギーとしての利用も増えており、発電や船舶燃料にも使われています。
さらに次世代の燃料電池にもメタノールが使われています。燃料電池は水素を使ったものが多いのですが、水素ガスを発生させるためには大がかりな施設が必要です。また運搬のためには−253℃という超低温にして液体にする必要があるなど、輸送や保管に手間もコストもかかります。
液体であるメタノールならそうした手間がありません。そういう扱いやすさの面でもメタノールは万能選手といわれています。
メタノールは船舶の燃料としても使われています。
MGCは世界初・世界唯一のメタノール総合メーカー
MGCのメタノールは、1952(昭和27)年に日本で初めて、新潟県で自社採掘した天然ガスからメタノール合成に成功したところから始まります。MGCは、自社技術を用いて海外で生産したメタノールを、自社の大型船を使って、日本を始め世界中のお客様に高い品質で安全・安定的にお届けし、自社消費も行う世界で唯一のメタノール総合メーカーです。
▲ 現在、国内唯一のメタノール製造工場となる新潟工場パイロットプラント
世界中に必要とされているポン!
日本初! ごみからのメタノールの製造に成功
ごみを焼却する際に発生する排ガスからCO2を回収し、それをメタノールに転換することに、日本で初めて成功しました。ごみ焼却場の排ガスから、化学製品の原料であるメタノールが作れるようになると、さらに循環型社会を推し進められます。このほかにも、廃棄物を原料にメタノールを製造する取り組みも進めています。
▲ ごみ焼却場の排ガスから製造したメタノール
捨てられたごみからもメタノールができるんだね!
皆さんの未来をより良くするために
三菱ガス化学株式会社 基礎化学品事業部門
化成品事業部 営業グループ 井上慎太さん
メタノールを初めて知ったよ!という人もいるかもしれませんが、見えないところで生活や産業を支える、なくてはならない製品です。私は日本のお客様への営業を担当しており、メタノールとはどんなものか、お客様へどのようにお届けするかを丁寧にご説明することを心がけています。
最近はお客様と接する中で「環境循環型メタノール構想」への注目・期待を肌で感じており、循環型社会を実現する最前線として、社内外の方と協業することにやりがいを感じています。皆さんの生活を支えるメタノールを今後も安定してお届けできるよう、また皆さんの未来をより良くするために「環境循環型メタノール構想」を推進できるよう、努力と挑戦を続けていきます。
メタノールは皆さんの周りでたくさん使われています!