
投資家と社会をつなぐのが証券会社の役割。会社の情報を調査・分析する「アナリスト」の仕事について、国内最大の証券会社である野村證券に聞きました。
- 株式などの証券売買の仕事
- 投資に関する仕事
- 経済に関わる仕事
世の中のトレンドや会社の強みや弱みを調査・分析して、良い会社や商品を見極めるんだ。
投資家が将来成長しそうな企業に投資できるのは、アナリストがしっかりと世の中のトレンドや企業を調査・分析し情報を提供しているからです。

ITや自動車、衣料品、小売など、分野ごとに専門のアナリストがいます。きみはどの業界を調査したい? 例えば、「自動車業界」ではこんな仕事をするよ!
企業を調査するのがアナリストだポン。

自動車業界のアナリストがすること


情報を収集する
インターネット・SNS(エスエヌエス)・新聞・雑誌などから、自動車に関係するさまざまな情報を集めます。

生産の現場を見る
自動車工場を見学。「1時間に何台作られているか」「トラブルは?」などどんな情報も見逃しません。

会社の方針説明会に参加
自動車会社が車の開発についての重大発表! 気になることがあれば社長に直接質問します。

試乗会で体感
新車の試乗会に参加し、乗り心地をチェック。実際に運転してみることで、気づくこともたくさんあります。

分析してレポートに
集めた情報から「会社の強みや弱み」「自動車業界の将来」などを分析してレポートに。図やグラフも使って分かりやすく!

世界の投資家に提供
アナリストが分析したレポートはセールス(営業)を通じて世界の投資家に提供されます。株式などの売り・買いを判断するための材料になります。

証券会社は、世界の金融市場で株式などに関する仕事を行っています。投資を通じて会社の成長を応援しています。
情報収集・分析
アナリストの仕事
「景気はどうなるの?」「この会社は成長する?」など、世界中の情報を徹底的に調査・分析し、レポートにまとめます。質の高い情報は、投資を判断する上で重要です。

投資家対応
セールスの仕事
アナリストのレポートを参考にお客さんと会話し、ニーズに応じて注文を受けます。お客さんからの注文はトレーダーに取り次ぎます。外国人投資家もいるので英語力も大切です。

株式や債券の取引
トレーダーの仕事
セールスから注文を受け、取引を成立させます。多様な投資家のニーズを理解し、お客さんの取引を取り次ぎながら利益を上げられるかがトレーダーの腕の見せどころです。
1日のおしごとの流れ
木下壽英さん(エクイティ・リサーチ部)の場合
アナリストの仕事は情報が命!
あらゆる角度から徹底的に調べます。

6:30
起床

朝食をとり、スマホや新聞でアメリカなど海外のニュースをチェック!
8:00
オフィス到着

会社に着いたら、その日の打ち合わせの準備。情報を素早く整理します。
9:00
社内で情報交換

海外の自動車メーカーを調査しているアナリスト仲間からヒントを得ることも。この日はインドの社員と英語で情報交換!
11:30
ランチタイム

「情報は足で稼ぐ!」。午後の外出に備えてボリューム満点のお弁当でスタミナをつける。
13:00
投資家との打ち合わせ

投資家たちに自動車業界の見通しについて独自の分析や意見を伝えます。多い日は1日6~7件の予定が入ることも!
17:30
打ち合わせからの帰り道

街には新しい発見がいっぱい!「電気自動車が増えてきた」「どこのメーカーの車が多いか」など、常に情報収集を怠りません。
18:00
1日のまとめ
1日で得た膨大な情報を忘れないように整理します。また、「情報を頭の中で寝かせることで、より冷静な分析につながる」こともあり、あえて整理せずに帰宅することも。
19:00
終業・帰宅
帰宅後は夕飯の準備。料理が趣味で、週末に釣った魚や散策して採れたつくしなど季節の素材を使います。料理と食事で疲れをリフレッシュ!
いろいろなことに好奇心を持って調べるしごとです
野村證券株式会社
エクイティ・リサーチ部 木下壽英さん
大学では金融工学を専門に学びました。外資系の金融機関で株式関連の金融商品をつくる仕事やリサーチの仕事を経験しました。自動車業界の調査を担当することが決まったときは、特に車に詳しくなく自動車の免許も持っていませんでした(笑)。ただ、調べれば調べるほど面白い業界で、いまでは散歩や信号待ちのときは必ず車に目がいってしまいます。
自動車という業界から政治や経済などダイナミックな世界の動きを体感できることにやりがいを感じています。アナリストは、身の回りのいろいろなことに好奇心を持つことが大事だと思います。
日本の自動車メーカーの企業調査をしています。
