道路の舗装に欠かせないアスファルト合材。道を歩いたり自転車や車で快適に移動できたりするのも、このおかげです。アスファルト合材はどこでどうつくるのか、全国各地の道路をつくっているNIPPOに聞きました。
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正しい名称は「アスファルト合材(混合物)」。
小石や砂に石油からできたアスファルトを混ぜてつくられるよ。
これがアスファルト合材工場だ!
アスファルト合材は、小石や砂に石油を原料とするアスファルトを混ぜてつくります。特に大事なのは温度。アスファルト合材は、冷えると固まり、舗装工事ができなくなってしまいます。日本中のどこの工事現場にもアツアツのアスファルト合材を届けるため、NIPPOでは全国160カ所に下の写真のような工場を持っています。
NIPPO苫小牧合材工場
ここでできるんだ!
1 コールドホッパ
原料となる砕いた小石や砂を大きさごとに入れておき、ベルトコンベヤーで運ぶ
2 ドラムドライヤー
バーナーの熱風で小石や砂を200℃近くまで加熱
3 ホットエレベーター
小石や砂を熱いまま上部に運ぶ
4 振動ふるい
小石や砂を、網の目の大きさが異なるふるいにかけてサイズごとに分け、ホットビンに貯蔵する
5 ミキサー
アスファルトを加えて小石や砂を混ぜる
6 ダンプカー
160℃くらいの状態でダンプに積まれ、道路工事現場に運ばれる
アスファルトタンク
石油を加熱すると、蒸発する温度の違いでガソリンや灯油などさまざまなものが得られます。最後に残るのがアスファルトです。
舗装にアスファルト合材を使うメリットはたくさん!
石やコンクリートで舗装された道もありますが、日本の道路の大半はアスファルト合材で舗装されています。以下のような多くの利点があるからです。
冷えると固まる
アスファルトは、温度が下がると短い時間で固まります。固まるとすぐに人も車も通行できるので、工事の期間が短くて済みます。
車の騒音が少ない
車が走るときの騒音が少ないので、車がたくさん通る道路の近くに住んでいる人も、安心して生活できます。
費用が安い
工事の期間を短くできる分、費用も安くなります。コンクリートで舗装する場合の費用と比べると、アスファルト合材は半分以下です。
補修がしやすい
簡単な方法で補修できるので、地震などで道が壊れたときもスピーディーに復旧できます。
NIPPOマスコットキャラクター
ミッチーくん
アスファルト合材が活躍する場所は道路だけじゃない!
私たちがふだん通行する道路以外にも、アスファルト合材をはじめとする道づくりの技術はいろいろな場所で使われています。
サーキット場
レーシングカーやオートバイが猛スピードで走るサーキットは、アスファルト合材が何層にも敷き詰められています。
©ホンダモビリティランド(株)
テニスコート
高いクッション性と耐久性を両立させるため、テニスコートの下にはさまざまな素材が組み合わさって埋められています。
自宅の庭や玄関アプローチなども
簡単にアスファルト合材で舗装できる
▲レミファルトECO(エコ)
アスファルト合材での舗装というと、道路工事専用と思われがちですが、実は自宅で庭や玄関アプローチなどの補修に活用することもできます。常温合材であれば特別な技術がなくても、誰でもかんたんに扱えるうえ、臭いもほとんどしません。
料理のようにアスファルトを使い分けます
株式会社NIPPO 総合技術部 技術研究所
研究第二グループ 西川 遥さん
私が働く研究所では、アスファルト合材について研究をし、新しい材料の開発や今ある材料のパワーアップをして、それらを全国の現場に広めるお仕事をしています。
アスファルト合材に使われるアスファルトには軟らかいもの・硬いもの・ネバネバしているものなど、たくさんの種類があります。私たちは、料理のようにアスファルトの種類を変えたり、他の材料の配分を変えたりして、その場所にあった道路をつくっているのです。
人や環境にやさしい技術の開発と普及で、道路を利用する人たちに喜んでもらいたいですね。