腕時計を動かすにはぜんまいや電池などの動力が必要です。では、「ソーラー式」はどのようなしくみで時計を動かしているのでしょう? シチズン時計に話を聞きました。
- 時計をつくる仕事
- 最新技術を開発する仕事
- 宇宙に関わる仕事
ホント。腕時計の中の小さなソーラーセル(太陽光電池パネル)で電気をつくって時計を動かしているんだ。
ソーラー式の腕時計は、小さな文字板の下にあるソーラーセルが太陽の光を電気エネルギーに換えることで時計を動かします。さらに、つくった電気を二次電池にためておくことで、暗いところや夜でも動き続けるのです。
「エコ・ドライブ」付きの腕時計は、わずかな光でも電気をつくります
▲文字板の下にあるソーラーセルで光を電気に換え、
つくった電気は「二次電池」に蓄えます。
小さな腕時計に最新の技術がつまっているんだね。
省エネ性能で、時計で初めてエコマーク認定
エコ・ドライブは環境保護の観点からも評価を受け、日本では1996年に腕時計として初めて「エコマーク商品」に認定されています。写真はシチズン アテッサ「AT8040-57E」。
エコマーク商品
自然エネルギー06 134 011シチズン時計株式会社
どれくらいの光で発電できるの?
太陽光のような強い光がなくても、室内のわずかな光でも電気エネルギーに換えて時計を動かせます。
発電でためた電池はどのくらいもつの?
省電力技術の進化で、フル充電すれば光のない暗闇でも半年以上動き続けます。例えば、太陽が出ない日が続く南極の「極夜」の間でも時計は動き続けます。パワーセーブ機能を搭載した時計なら、なんと7年間も休まず動くモデルも!
毎日身につける腕時計に必要な機能って?
腕時計がもし、とても重かったり、すぐにキズがついてしまったりしたら、普段使いできませんね。毎日身につけるものなので、軽くて強く、しかも肌にやさしい素材であることが重要。それを実現したのがスーパーチタニウム™という素材です。
チタニウムの特徴
他の金属よりも軽量でサビにくく肌にもやさしい。
独自の表面硬化技術
チタニウムの表面をさらに硬化し、美しく仕上げる独自の技術を施しています。
スーパーチタニウム™を使った腕時計
腕時計のために開発された素材
「スーパーチタニウム™」
表面の硬さはステンレスの5倍以上。DIY(ディーアイワイ)でも作業に専念できます。
ステンレスの約半分の軽さなので、手を使う料理中も気になりません。
金属アレルギーの人や肌の弱い子どもでも安心して触れ合えます。
海水にも強く、サビにくいので、釣りやアウトドアでも活躍します。
月面探査プログラム「HAKUTO-R(ハクトアール)」によって
スーパーチタニウム™の技術は宇宙へ!
宇宙分野で新しく創業した日本の会社ispace(アイスペース)が開発したランダーと呼ばれる月着陸船には、シチズン時計が独自に開発した「スーパーチタニウム™」が使われています。軽く、強く、キズがつきにくくてサビにくいという腕時計のために開発された素材は、宇宙へと飛び立ちました。月面探査という人類の未来に向けた夢にシチズン時計の技術も一役買っているのです。
“市民(CITIZEN)”に寄り添う腕時計をつくっています!
シチズン時計株式会社 商品企画部 宮原太郎さん
1924年、私たちは、「永く広く市民に愛される」ように「CITIZEN」の文字が冠された初めての製品をつくり上げました。それから100年、私たちは、この「CITIZEN」という名前に込められた思いを胸に、身につける人々の毎日に寄り添う時計を世に送り出しています。
腕時計は仕事の日も、休みの日も一緒に動き続ける相棒みたいな存在です。CITIZENは世界中の市民に向けて、エコ・ドライブやスーパーチタニウム™などの技術を使いながら、毎日寄り添える時計をつくっています。どんな時計ならみんなに気に入ってもらえ、長く愛されるか? そんなことを仲間たちと一緒に考えながら、日々時計づくりに励んでいます。
長く愛される時計をつくり続けます!