地球温暖化を防ぐためにはCO2(シーオーツー/二酸化炭素)の排出量を減らすことが大切。「CCS」という技術なら、減らしきれないCO2を地下に貯めることができるんだ。INPEXに聞いてみたよ。
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発電所や工場などから出るCO2(二酸化炭素)を集めて
地中や海底の下に貯めておく技術だよ。
CCSの仕組みを知ろう!
CCSは、Carbon dioxide(カーボン ダイオキサイド/二酸化炭素)Capture(キャプチャー/分離・回収) and Storage(アンド ストレージ/貯留)の頭文字をとった言葉。CO2を大気中に排出せず地中に貯めるから、地球温暖化防止に貢献すると期待されているよ。工場や火力発電所など、社会に必要だけどCO2排出が避けられない施設を、環境にやさしい形で稼働できるメリットがあるんだ。
CO2を含む排ガスが出る
工場や火力発電所など
パイプラインなどで
分離・回収施設へ運ぶ
CO2はどうやって取り出すの?
現在一般的な方法の1つが化学吸収法だよ。
「アミン溶液」という化学物質にCO2を吸収させた後、120度に温めてCO2だけを取り出して回収するんだ。
CCSは脱炭素の切り札といわれているんじゃ。
なぜINPEXがCCSをやっているの?
CO2は地下1000~3000mに貯められるよ。地下にある石油や天然ガスを掘ったり運搬したりする技術を持つINPEXは、貯めたCO2がどう動くかシミュレーション(予測)してCO2を貯めるのにぴったりな地層を探して井戸を掘ったり、貯めたCO2が漏れていないかモニタリング(監視)したりすることが得意なんだ。
CCSで大切なこと
地層によって特性が異なるよ
CO2のシミュレーションなどを行うよ
CO2対流現象のシミュレーション例
CO2の使い道はないの?
集めたCO2を活用することを、CCUS(シーシーユーエス)という。Carbon dioxide(二酸化炭素)Capture(分離・回収)Utilization(ユーティリゼイション/活用) and Storage(貯留)の頭文字をとった名称だ。CCUSにはいくつかの方法があって、たとえば下のイラストのように燃料や原料として再利用することを「カーボンリサイクル」というよ。
カーボンリサイクルでつくれるもの(一例)
包装材、容器などの
化学製品
コンクリート製品
燃料
CO2は社会に役立つ原料・燃料にもなるポン!
CO2で石油が増産できる⁉
INPEXの技術力を活かしたCCUSの1つに、油田へのCO2の圧入があるよ。これで油田内部の圧力が高まり、石油がサラサラになって採取しやすくなるから、石油の生産量を増やすことにも効果を発揮するんだ。
地球と便利な生活、両方守ります!
株式会社INPEX 水素・CCUS事業開発本部 技術開発ユニット
海外CCUSグループ 北村重浩さん
最近、自分の周りの生き物が変わってきていると感じます。家の近くの海で釣りをすると、南の海の魚が増えている気がします。地球が温まったら、寒い海に棲んでいた魚はどこへ行けばいいのでしょうか。私たちが今の便利な生活を続けるためには二酸化炭素を出さなければなりません。でも、それは地球にとっては好ましくないかもしれません。CCSは地球と私たちの生活、どちらも守れる技術です。未来の地球をより良くするために、私たちは頑張ります。
CO2を安全にたくさん貯留できる場所を探しています。