キッチンやお風呂など家の中で水を使うところを「水まわり」といいます。水まわりを清潔で快適な環境にしてくれるホーローについて、タカラスタンダードに聞いてみました。
- キッチンやお風呂を作る仕事
- ホーロー開発の仕事
- 生活を快適にする仕事
ホーローは、金属とガラスを高温で焼き付けて密着させたとても丈夫な、優れた素材です。
ホーローは金属(主に鉄)の表面にガラス質の粉末(釉薬)を塗り、高温で焼き付けて密着させたものです。漢字で「琺瑯(ほうろう)」とも書きます。「割れにくくて丈夫な金属」と「水や熱に強く美しいガラス」の両方の良いところが合体された優れた素材です。
ホーローはこんなところがすごい!
汚れに強くお手入れが簡単
表面がガラス質で、油や調味料、洗剤がついてもしみこまず、水拭きでつねに清潔な状態に。洗剤を使う量も少なくてすみます。また、カビの根が張ることもないので、お手入れが簡単です。
熱に強い
高温で加熱して製造しているので熱に強く、火に触れることがあっても変形・変色しにくい素材です。
環境にやさしい
組み立てに接着剤を使わないので、シックハウス症候群の原因となる有害物質を出しません。
臭いがつかない
ペットの臭いやタバコなどの臭いがしみこみません。
キズに強い
ひっかいたり、たわしでこすってもキズがつきにくい素材です。
リサイクルできる
ホーローの主成分は鉄なので、素材のほとんどをリサイクルできます。
ホーローを使ったキッチンやお風呂って、こんなに快適なんだ!
古代エジプトが発祥地〜ホーローの歴史
ツタンカーメンの黄金マスクにもホーローが
ホーローの歴史は大変古く、紀元前1300年ごろの古代エジプトにまでさかのぼり、ツタンカーメン王の黄金のマスクが最も初期のホーローだとされています。その後、世界中に広まり、装飾品などの美術工芸品として扱われてきました。
20世紀に入って実用品化
ホーローが実用品として使われるようになったのは、実は20世紀になってからのこと。工業化が始まって、品質の改良が進み、鍋や食器として使われるようになりました。現代では化学機器、建材、医療器具などさまざまな分野で使われています。
タカラスタンダードのキッチンは裏の裏まで、ホーローが使われています
高品位ホーローができるまで
キッチンなど住宅設備として使われるホーローにはより高い強度が求められます。タカラスタンダードでは独自の技術で「高品位ホーロー」を開発し、生産しています。温度や湿度など、日々の環境の変化に合わせた調整が必要で、常に熟練した人が確認し、丁寧につくられています。
1 金属の板を加工
金属(主に鉄)の板をキッチンやお風呂などで使う形に加工します。その後、釉薬(ガラス質の粉末)との密着力を高めるために、硫酸に浸けるなど、次の工程のための前処理をします。
2 釉薬をつくる
釉薬の原料の配合法は約600種類!
製品の用途に合わせて配合するんだ。
釉薬の原料を調合し、1200〜1300度で溶かし、急速冷却し粉砕します。その後、粘土・水・各種薬品を加えて、再び粉砕し、泥状の釉薬が完成します。
3 釉薬の吹き付け
ホーローの品質を左右するとても重要な工程だよ。
加工し、前処理を施した金属の板に、釉薬をムラなく均一に吹き付けた後、乾燥させます。
4 焼き付け
焼き付ける時はホーローの色に合わせて温度調整をするんだって。
約850度の焼成炉で焼き付けます。釉薬が溶け、ガラス内で結晶を成長させることで発色し、なめらかなガラス面をもったホーローが完成します。
水まわり以外でもいろいろなところにホーロー素材が
毎日多くの人が利用する駅構内の壁、そして雨や紫外線、排気ガスなどでダメージを受けやすい建物の外壁などでも、タカラスタンダードのホーロー素材が使われています。色褪せしにくく、丈夫で長持ち、手入れがしやすいホーロー素材の特長が発揮されているのです。
ホーロー製品開発と共に子どもの未来を創る活動も
タカラスタンダード株式会社 営業企画部
コミュニケーション推進グループ 大山友里さん(右)
私たちタカラスタンダードは地球にやさしい高品質のホーロー製品を開発しているだけではなく、子どもたちの未来を創る取り組みも行っています。
キッザニア甲子園ではキッチン提案の仕事が体験できるキッチンリフォームセンターを開いています(左下の写真)。リアルな社会体験を通して生きる力が身についていきますので、ぜひ体験しに来てください。また、キッチンを製造販売する私たちだからこそ「食」への支援を通じて一人でも多くの子どもを笑顔にしたい。そんな思いから「こども食堂」への寄付を行っています。