アーティフィシャルフラワープランナー のしごと

2026.02.06 紹介します○○のしごと
アーティフィシャルフラワープランナーの星野美由紀さん
「空間演出の仕事は意外と体力勝負です」と話す星野美由紀さん。高いところでの作業や力仕事も多いそう=9月、東京都台東区
アーティフィシャルフラワープランナーの星野さん

星野美由紀さん

イーストサイドトーキョー(東京都台東区)

アートな「花」で空間をデザイン

アーティフィシャルフラワーとは、生花をリアルに再現した「つくられた花」です。最近では花びらのすじや、くきのトゲなど細かい部分までつくりこまれた高い芸術性で、世界的にもみとめられ注目を集めています。

星野さんは「イーストサイドトーキョー」がオープンした年に入社。いまはアーティフィシャルフラワーを使ったウィンドーディスプレーをつくったり、空間をかざりつけたりしています。大通りに面したお店のウィンドーには、秋冬をイメージした花々、それにあわせた器やアイテムが空間いっぱいにかざられてはなやか。道ゆく人々も足を止めてながめていきます。

「ウィンドーは2~3か月に1度、季節やイベントにあわせてつくります。外からぱっと見て入ってくる人もいるほど影響力がありますね。時には生花店とまちがってこられるお客さまも。アーティフィシャルフラワーを知ってもらうきっかけにもなり、ウィンドーのイメージが制作の依頼につながるケースもあるので、力を入れています」

今では飲食店やオフィス、ホテルなど外部からの依頼が年々増えていて、1年で20件ほどあるそう。現場にあわせてどの花がぴったりくるかイメージをふくらませて空間をつくります。

あゆみ

1990年
千葉県生まれ
小学校時代
外よりも室内で遊ぶ方が好きなインドア派。得意な教科は図画工作。細かい作業を好んで、もくもくと作品づくりをやるようなタイプだった
中学校時代
何となく楽しそうという理由でバドミントン部に所属。入部すると実は、強豪部活でハードな練習の日々。顧問も厳しかったが3年間、毎日練習に参加して県大会にも出場を果たす。メンタルがかなりきたえられた
高校時代
アルバイトと両立しながら料理研究部に所属。高校卒業後は就職希望で、先生に相談して就職先を決めた
2009年~現在
包装用品や店舗の装飾品などを扱う専門商社シモジマに入社。会社が新規事業として立ち上げたアーティフィシャルフラワーの専門店「イーストサイドトーキョー」へ配属。上司やフラワーデザイナーから空間演出を学び、3~4年で独り立ち。現在、多くのウィンドーや空間演出を手がける
やりがいや苦労

積み重ねた研究が提案力に

プランナーとして活躍する星野さん。入社当時は花にまったく興味がなかったそうで、ひたすら勉強の日々。図書館で洋書やフローリストの資料を探しては読み、街に出て高級ブランドのショーウィンドーなどを見て研究しました。

「当時はまだSNSがない時代。すてきだなと思ったデザインはストックしてマイファイルをつくり続けました」。するとだんだん企画の幅が広がり提案する力もついてきました。「今ではアーティフィシャルフラワーが大好きに。完成した時の喜びや達成感があるからこそずっと続けていきたいです」

おしごとあるある

私たちにとって、お花といえばアーティフィシャルフラワー! お花屋さんで生花を見ても「アーティフィシャルフラワーにそっくりだな」と不思議な気持ちになります。お客さまが希望する花を季節とわず、365日提供できるのが大きなちがいです。時にはメーカーに直接相談して花をつくってもらうことも。たとえばピンク色ひとつとっても、200色以上のバリエーションがあり、微妙な差ですが色で見え方もまったくちがいます。

なるためには?

役立つ国家資格には「フラワー装飾技能士」がありますが、急いで取る必要はありません。むしろ大切なのはものづくりが好きという気持ちです。

アーティフィシャルフラワープランナーは、花を使って空間全体を創作する仕事です。生花ではむずかしいシーンであっても、はなやかな演出ができます。スケッチなど絵をかく技術も役立ちますが、それよりも感性や想像力、デザインにつなげる情報収集力が必要です。

必要な道具は?

専用ハサミです。アーティフィシャルフラワーは、芯の中心部分にワイヤが入っていて、プラスチックでコーティングされています。日常使いのハサミや生花用のハサミでは切れません。

アーティフィシャルフラワープランナーの専用のはさみ

2025.12. 1付 朝日小学生新聞
構成・篠崎嘉代子

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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