佐藤達也さん
オリックス野球クラブ(大阪市) 広報宣伝部選手の声 ファンへとつなぐ
オリックス野球クラブは、プロ野球のオリックス・バファローズを運営している会社です。オリックスで中継ぎ投手だった佐藤さんは今、球団の広報として働いています。主な仕事はメディア対応です。選手や監督、コーチと、取材したいメディアの間に立ってスケジュールなどを調整しています。
試合の途中にも役割があります。テレビ中継などで流すため、活躍した選手からその場でコメントをもらい、メディア向けに発信しています。「もっと野球やバファローズに興味を持ってもらえるよう、ファンのみなさんに、選手の声や球団の情報を届ける仕事です」
選手としては、2013、14年にパシフィック・リーグ(パ・リーグ)の最優秀中継ぎ投手賞にかがやくなど、1軍で活躍しました。「まさか、個人タイトルがとれるとは思っていませんでした。すごく充実した選手生活でした」
調子の良くない選手がいれば、選手の立場になって接するなど、現役時代の経験も生かしています。選手やメディアとより良い関係を築けるよう、ふだんから雑談の時間も大切にしているそうです。「選手の声をうまくファンの人たちに届けていきたいです」
- 1986年
-
埼玉県生まれ
- 小学校時代
- 7人きょうだいの末っ子。バスケットボールが好きだった兄たちに影響を受け、バスケに夢中になりました
- 中学校時代
- 地元の中学校に進学。バスケ部がなく、野球部に入部しました。勉強は苦手でしたが、漢字の暗記は好きでした
- 高校時代
- 埼玉県立大宮武蔵野高校に進学し野球を続けました。本格的に投手になり、2年生からチームのエースに
- 大学~社会人野球時代
- 当時の北海道東海大学芸術工学部に進学。硬式野球部に入部し、エースとして活躍しました。2009年に本田技研工業に入社し、Honda硬式野球部に所属。社会人野球の全国大会「都市対抗野球大会」を経験しました
- プロ入り~現役引退後
- 11年秋のドラフト3位指名でオリックス・バファローズに入団。13、14年に最優秀中継ぎ投手賞にかがやくなど活躍し、18年に引退。オリックス野球クラブの広報宣伝部で、選手やコーチのメディア対応をしています
だれよりも近くで喜びを共有
試合で一番活躍した選手の「ヒーローインタビュー」にも立ち会います。「選手の生の声をだれよりも近くで聞けるのが、仕事の魅力」と話します。
球団は21年から3年連続パ・リーグ優勝、22年には26年ぶりの日本一を果たしました。「選手たちの喜んでいる顔を見るのは格別でした」。ただ、優勝直後は取材や会見などの準備に追われました。明け方家に着き新聞を見て、やっと「優勝したんだ」とほっとしたそうです。
シーズン中以外はチームで動かないこともあります。選手個人の予定に合わせた日程調整も大変です。
必要な道具は?
スケジュールを管理するために使っている手帳です。取材の日程は突然決まることが多く、選手やコーチの予定との調整に欠かせません。いつも持ち歩いています。(写真は本人提供)
なるためには?
野球が好きで、野球に興味を持っていることが何より一番大事だと思います。私は選手を経験していますが、広報には新聞記者から転職した人もいます。
メディアと原稿の確認をしたり、メールのやりとりをしたりと、ふだんから言葉をあつかうことが多いです。球団の中の人だけでなく外の人たちともかかわります。正しい言葉づかいやさまざまな人とのコミュニケーションを、常に意識することが必要です。
おしごとあるある
シーズン中は基本的に1軍といっしょに移動するため、各地を転々としています。パ・リーグの球団がある北海道や福岡県にもよく行きます。シーズンが始まる前の2月にある春季キャンプでは、期間中の丸々1か月は家に帰れません。キャンプは宮崎県で行いました。年間でみると、半分くらいは家にいないと思います。その分移動も多いです。移動中はパソコンで仕事をしたり、体を休めたりしています。
2024.3.4付 朝日小学生新聞
構成・正木皓二郎
毎週月曜連載中の「教えて! 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
朝日小学生新聞のホームページはこちら