ホテリエ のしごと

2023.04.12 紹介します○○のしごと

リーガロイヤルホテルのホテリエ、土田純子さん
フロントデスクに立つ土田純子さん=2022年11月、大阪市のリーガロイヤルホテル
リーガロイヤルホテルのホテリエ、土田純子さん

土田純子さん

リーガロイヤルホテル(大阪市) 宿泊部フロントサービス課

一人ひとりに合う「ようこそ」を

大阪を代表する高級ホテルのリーガロイヤルホテル。世界各国の要人も泊まることでも知られます。

土田さんはフロントデスクで宿泊者をむかえるチェックインや、見送るチェックアウトの手続きをします。チェックインの際は名前や宿泊数、人数などを確認します。

「パソコンをさわりながらの仕事ですが、なるべくお客様と目線を合わせるよう心がけます。〇〇様と名前でお呼びし、より『ウェルカム(英語で、ようこそ)感』が伝わるようにします」

コロナ禍でスタッフはマスクを着用し、フロントデスクにはアクリル板が置かれています。「表情がわかるよう、見えている部分のまゆ毛を動かします。声も『笑顔』になるよう、明るく、聞き取りやすく話すことが大事ですね」

チェックアウトでは「ゆっくりお休みになれましたか」などと声をかけます。荷物が多い時は運ぶ手伝いをし、駐車場やタクシー乗り場まで見送ります。

常に心がけるのは、「お客様が何を求めているか」を意識することです。予約内容やチェックイン時の短い会話から察します。例えば仕事のために利用し、急いでいる場合は「対応を簡潔にし、素早く部屋のご案内をします」。

リーガロイヤルホテルのホテリエ、土田純子さんのしごとの漫画

あゆみ

小学生の時は人見知りで内気な性格でした。中学校ではバスケットボール部に所属。始業前に1人で朝練をし、走ったり筋力トレーニングをしていました。練習は厳しかったですが、団体競技の楽しさにふれました。

大学生になってからカラオケや飲食店でアルバイトをし、接客業を経験しました。人見知りな性格も、制服を着ると「スイッチ」が入り、ふしぎとお客さんと話せるように。接客を仕事にしたいと、ホテルで働くホテリエを志しました。現在はフロントサービス課の課長として課をまとめています。

1984年
大阪府生まれ
1997年
四天王寺中学校に入学
2000年
四天王寺高校に進学
2003年
奈良教育大学に進学。心理学を学ぶ
2009年
株式会社ロイヤルホテルに入社。グループホテルなどで働く。以来、宿泊部でフロント業務を担当している
2019年
リーガロイヤルホテルに配属される
やりがいや苦労

人生の一大イベントの手伝いも

お客さんのサプライズの手伝いをすることもあります。プロポーズの場合、花束やケーキなどを相談して準備します。プロポーズする側が先にチェックインを済ませ、部屋のかざりつけを手伝います。その後、パートナーと来館した時には初めて来たかのように接します。「責任重大ですが、笑顔で帰る様子を見送る時には達成感があります。『ありがとう』の一言をいただけるのが何よりもうれしい」

子どもたちにも大人と同じように目線を合わせて話すなど、「幅広い年齢層に合ったサービスをするホテリエでありたい」と願います。

クローズアップ
リーガロイヤルホテルのホテリエ、土田純子さんのしごと道具。顔を覚えてもらうためにわたす名刺と、お礼状などを書くボールペン
顔を覚えてもらうためにわたす名刺と、お礼状などを書くボールペン

※2023年2月27日時点の情報です。

2023.2.27付 朝日小学生新聞
構成・中塚慧
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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