ツアープランナー のしごと

2022.12.01 紹介します○○のしごと

株式会社JTBガイアレックのツアープランナー坂元悠子さんの画像
「何事も明るく前向きに考えるよう心がけています」と話す坂元悠子さん=2022年7月、東京都品川区
株式会社JTBガイアレックのツアープランナー坂元悠子さんの画像

坂元悠子さん

株式会社JTBガイアレック(東京都品川区)サン&サン仕入企画販売部

魅力ある旅行をとどけたい

JTBガイアレックは「スポーツ」や「体験」などをテーマに、国内の旅行をメインに企画している旅行会社です。ツアープランナーは、旅行の内容を考えて、商品にする仕事です。

まずは「旅行のテーマやターゲットを定めます」と坂元さん。どのような商品が求められているか、毎日のニュースやトレンドを参考にツアーの内容を固めます。

内容が決まると、数多くある宿や交通手段の中からツアーに適したものを選び、調整する「仕入れ」をします。その土地の新しい魅力を見つけるため、現地に行くこともあります。

最後はパンフレットの制作です。「旅行商品は目に見えないもの。お客さまにどうアピールするか考えます」。手にとってもらえるよう、構成やデザインにもこだわります。

できあがったパンフレットは、お客さんに直接旅行を提案する旅行代理店にとどけます。こうして一つの商品が完成するまでに約2か月かかります。

仕事で大切なことは、「難しいことをどうやったら実現できるか考えること」と坂元さん。新型コロナウイルスの感染が広がったときは、旅行先で不安なく過ごしてもらえる方法に思いをめぐらせていたそうです。

株式会社JTBガイアレックのツアープランナー坂元悠子さんのおしごとの漫画

あゆみ

小さいころから習い事で空手とピアノに取り組み、精神力と集中力が身につきました。高校生のときは部活と勉強の両立に力を入れました。

大学3年生のとき、就職活動をするなかで自分にむいていることは何かと深く考えました。それまでは「なんとなく英語を使う仕事をしたい」と思っていましたが、好きだった地理の知識や旅行の経験を生かして「日本全国の魅力を知りたい」と、ツアープランナーになる決心をしました。会社では、テーマを生かした目的型旅行の企画をしています。

1984年
大阪府生まれ、鹿児島県で育つ
1997年
中学校に進学。ピアノに力を入れて取り組む
2000年
高校に進学し、バスケットボール部に入る。英語を深く学べる大学をめざす
2003年
県立長崎シーボルト大学(現長崎県立大学)に進学。長崎の歴史などに関する「長崎学」を学ぶ
2007年
ジェイティービーサンアンドサン西日本(現JTBガイアレック)に入社
やりがいや苦労

何もないところからつくりあげる

坂元さんはお客さんに直接、旅行商品を提案しないため、じかに感想を聞くことはほとんどありません。「正解なのか確認できないから難しい。だからこそ、お客さまの立場に立つことが大切です」

商品の売り上げがのびたとき、「お客さまが求めている商品をとどけられた」とやりがいを感じるそうです。

大学の卒業から15年間、ずっと旅行の企画を担当してきました。「ツアープランナーは何もないところから組み立てる職業です。旅行という形のない商品を一からつくりあげられるところもやりがいです」

クローズアップ
株式会社JTBガイアレックのツアープランナー坂元悠子さんが仕事で使う消せるボールペンと時刻表の画像
消せるボールペンと時刻表。消せるペンはパンフレットの文字の修正に、紙の時刻表は旅行を組み立てるのに使います=2022年7月、東京都品川区

2022.9.5付 朝日小学生新聞
構成・正木皓二郎
撮影・近藤理恵
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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