eスポーツのプロ選手 のしごと

2022.01.21 紹介します○○のしごと

eスポーツのプロ選手
ゲーム用のいすがならぶ教室で、eスポーツを教えているちょぶりさん=2021年4月、東京都中央区のesports 銀座 school
eスポーツのプロ選手

ちょぶりさん

ZETA DIVISION(注1)

サッカーゲームをきわめる

eスポーツは対戦型ゲームの競技です。ちょぶりさんは、世界的に人気のサッカーゲーム「eFootball™(注2)」のプロ選手です(注3)。去年のオンライン戦の勝率は94%。ドリブルや細かいパス回しなど、攻撃的なプレーが持ち味です。

大会前は食事とふろ以外、一日中いすにすわってゲームをします。その中には趣味でゲームをする時間も。選手としての練習は主に夜から明け方です。

オンラインで人と対戦して、うでをみがきます。サッカーの経験も豊富ですが、ゲームはまったく別ものです。「現実で活躍する選手がゲームでは使いにくいことがよくあります」

目標は今年秋に三重県で開かれる国体文化プログラムでの優勝と、世界大会「eフットボールオープン」制覇です。一方で、YouTubeでプレーの動画を配信したり、専門のスクールで教えたりと、eスポーツを広める活動にも力を入れます。

サッカーゲームはすばやい判断が必要で、戦術も毎年のように変わります。「きわめるには一生かかります。一生の仕事にしたいです」

日本eスポーツ連合が認定するプロライセンス保有者は、228人います。選手は大会の賞金などの収入があります。

あゆみ

小学生のころからゲームが好きで、「ポケットモンスター」や「ドラゴンクエスト」などで遊んでいました。サッカーを始めた影響でウイニングイレブンも始めました。中学生のときはサッカー部の友だちにもほぼ負けない強さでした。

あこがれていた美容師の資格を専門学校でとり、美容院に就職しました。でも、同じ年に開かれた茨城国体文化プログラムのeスポーツで準優勝し、プロのチームから声がかかりました。進路になやみながらも、好きなことを仕事にしようと決めました。

1998年
茨城県生まれ
2017年
茨城県立笠間高校卒業
2019年
美容師の専門学校卒業後、美容院に就職。この年に茨城国体文化プログラム「ウイニングイレブン部門」で準優勝、eスポーツのプロ選手に
やりがいや苦労

練習を続け、心の苦労強さもみがく

eスポーツも体を動かすスポーツと同じく、さぼらずに練習を続けることが大切だといいます。ちょぶりさんは少なくとも1日1試合(10分ハーフ)プレーするのが日課です。そのために、よく眠るなど、体調を整えることにも気をつかっています。

意識してきたえているのが心の強さです。自分のミスで失点するなど、ゲームの中でいらいらするようなことが起きても、常に冷静でいようと心がけています。相手に先にゴールを決められてもあせらず、練習でみがいたプレーを発揮できるかどうかが勝利のカギをにぎります。

クローズアップ
eスポーツのプロ選手
ゲームをする時に使うコントローラーとヘッドホン、授業のための資料をつくるノートパソコンがかかせません

2021.5.17付 朝日小学生新聞
構成・松村大行
イラスト・たなかさゆり

注1)朝日小学生新聞掲載時は「JUPITER」でしたが、2021年7月、チーム名を「ZETA DIVISION」に改称しました。
注2)朝日小学生新聞掲載時は「ウイニングイレブン」でしたが、ブランド名を「eFootball™」に変更しました。
注3)ちょぶりさんは、プロeスポーツ組織「ZETA DIVISION」と独自に契約を交わしているプロ選手でしたが、2021年12月23日に脱退しました。

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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