
漏水(ろうすい)調査員
蛇口から出てくる水は、地下に張りめぐらされた水道管を通って運ばれてきているよ。でも水道管は長く使っていると、ひび割れて水が漏れてしまうことがあるんだ。これが漏水(ろうすい)だよ。そのままにしておくと、地上の道路などに水があふれてきたり、急に水が出なくなったりすることも……。そんなトラブルを防ぐのが「漏水調査員」の仕事だよ。(写真提供/株式会社リクチ漏水調査 撮影地は茨城県筑西市)
地面の下のトラブルを見つけ、当たり前に水を使える生活を守る
地面の下にある水道管。漏水しているかどうか、目で見て確認することはできません。しかし漏水していると、周りで水を使っていなくても、「シャー」と水が出ているような音が響いています。
漏水調査員は、水道メーターや給水バルブの音を聴く「音聴棒(おんちょうぼう)」や、地面に伝わる音を調べる「漏水探知器(ろうすいたんちき)」を使って、漏水の有無を判断します。

音聴棒や漏水探知機など、調べる場所によってさまざまな道具を使い分けながら、漏水の位置を特定します(撮影地=東京都新宿区)
調査の依頼は、道路の下にある水道管であれば自治体から、個人の敷地内であれば住民から寄せられることが多いです。漏水が発見された場合、実際の修理工事は主に設備会社が行います。
漏水探知器を使う「路面音聴調査(ろめんおんちょうちょうさ)」では、水道管が埋められた地面の上を歩きながら音を聴き、漏水している場所を探していきます。漏水の可能性がある場合は、さらに詳しく調べて、もっとも音が大きく聞こえる地点を特定。そこから地面に穴をあけて、実際に水が漏れている場所を絞り込んでいきます。
作業はいつでもできるわけではありません。車の音や生活音が大きいと漏水の音が聴こえにくくなるため、状況によっては静かな真夜中に調査を行うこともあります。また、雨の日は雨音(あまおと=雨が物に当たる音)が混ざってしまい、漏水の原因を特定しづらくなるため、調査が難しくなります。

学校の蛇口から漏水していないか、音聴棒を使って調べている様子(撮影地=東京都中野区)
水道管は街中だけでなく、山の中や建物の下にも張りめぐらされています。水道管がどこに埋まっているのか、どこを調べればいいのかの判断に困る場合もあります。大通りや鉄道線路の下に水道管がある場合には、騒音や交通事故に注意しながら作業する必要があり、より慎重さが求められます。
それでも、漏水を早く見つけることで事故を防ぎ、私たちが当たり前に水を使える生活を守っているという点に大きなやりがいを感じています。

路面音聴調査で漏水していることがわかった場合、さらに詳しく調べて漏水の音が一番大きい地点(漏水音のピーク地点)を探します(撮影地=茨城県筑西市)
人が暮らしている場所には必ず水道があります。しかし小さな島では、貯水タンクに貯めておける水に限りがあり、漏水が起こると町が断水してしまうことも。実際そういった現場で調査を行い、無事に水が復旧したときには、この仕事の大切さを実感しました。
毎日の生活に必要な水は、きれいな水に変える人や水道管をつくる人、そして漏水調査員のように水道管を守る人など、さまざまな人々によって安全に保たれています。
どうしたら漏水調査員になれるの?
漏水調査は、水道管に関する専門的なおしごとです。特別な資格が必要というわけではありませんが、配管設備(はいかんせつび=建築物や工場などで、ガスや水などを安全に通すための設備)や建築について勉強しておくと役に立ちます。