ブライダルリングデザイナー
ブライダルリングとは婚約指輪(エンゲージリング)と結婚指輪(マリッジリング)のこと。指に光る小さな指輪のきらめきは、ふたりが生涯を共にする愛の証しでもあるよ。ブライダルリングデザイナーのほとんどはジュエリーデザイナーが兼任しているんだって。ふたりの頭にある漠然としたイメージを、どのようにデザインするのかな。(写真提供/とみた宝飾)
指輪を着けたふたりから笑顔がこぼれる。幸せに寄り添う仕事
ブライダルリングはファッションリングと違い、特別な願いが込められています。たとえば、「ダイヤモンド」は、鉱物の中で最も硬いことから“永遠の絆”に通じるとされ人気です。「エタニティリング」のデザインは、全周に小粒の宝石を敷き詰めて、“途切れることのない永遠の愛”をほうふつとさせるため、結婚指輪としても好まれています。
ブライダルリングデザイナーは、ロマンチックな部分と、ずっと身に着けられる材質や形状といった実用性を兼ね備え、さらにふたりの希望をかなえた、特別なジュエリーのデザインをするのが仕事です。
デザイナーは、ふたりのこだわりを聞き、最近のトレンド、使用する宝石の特徴や加工にかかるコストなどを考慮しつつ、数点のデザイン画を作成。気に入った1点を選んでもらうと、パーツや宝石の仕入れ、ジュエリー加工職人との打ち合わせをします。
ふたりの普段の生活や趣味、結婚に至るなれそめなどを聞き、デザインイメージを膨らませる
婚約指輪は普段から着けられるように、宝石をセットする石座を低めにするデザインが人気ですが、婚約指輪をつくらず、結婚指輪に予算を回してオーダーメイドする人も増えました。ここ数年は、母親から譲り受けた指輪を結婚相手にプレゼントするために、サイズ直しやリフォームも多く手掛けています。
デザインを考えるうえで、発想力はとても重要。元々ブライダルリングはヨーロッパが主流なので、たくさんの洋画を観て、美術鑑賞や海外旅行などでアイデアを蓄積し、ジュエリー加工職人との会話でインスピレーションがわくこともあります。
選ぶ宝石は、ダイヤモンドが不動の人気。指輪の裏側には、イニシャル、入籍日、メッセージなどの刻印を入れて
自分のデザインが形になり、生涯大切に身に着けてもらえるブライダルリング。指にはめてほほえみ合うふたりを見ると、幸せのお裾分けをいただいた気分になります。
どうしたらブライダルリングデザイナーになれるの?
ジュエリー系の専門学校や美術系の大学で、貴金属や宝石などの知識、加工技術、デザイン画の描き方などを学びます。宝飾品ブランドや宝石加工会社、ジュエリーショップなどが主な就職先です。