ヘルメットをかぶって個人宅へ駆けつけるあのひと、何してる?

2020.10.29 あのひと何してる?

ホームセキュリティーの緊急対処員(警備員)(きんきゅうたいしょいん けいびいん)

警備員は、人々の命や財産を守ることが仕事だ。制服姿は警察官のようにも見えるけれど、犯罪者にとびかかって格闘したり、逮捕したりすることはないよ。警備の仕事は、施設警備、交通誘導、輸送警備、身辺警護などいろいろあるから、今回は個人の家を守るホームセキュリティーにスポットを当ててみよう。(写真提供/セコム株式会社)

家庭を見守り、「安全・安心」を提供する


ホームセキュリティーは、住宅と警備会社のコントロールセンターとを通信回線で結び、24時間365日休みなく家庭の「安全・安心」を見守るシステムです。万が一のときには、緊急対処員が駆けつけます。空き巣・不審者などの防犯対策だけでなく、火災監視や非常通報、子どもの見守りにも広く利用されていて、最近では高齢の親の見守りとしてのニーズも高まっています。

コントロールセンターの様子。異常を知らせる信号を受けると、緊急対処員が駆けつける仕組み

住宅の玄関ドアや窓などに設置したセンサーが異常を感知し、異常信号をコントロールセンターが受信すると、コントロールセンターから最寄りの拠点の緊急対処員に急行を指示。緊急対処員は迅速に駆けつけます。到着後は、家の外周りを点検しながら、怪しい人影がないか、窓やドアが壊されていないかといったことを確かめ、不審なことがあれば警察へ通報します。


万が一、不審者と遭遇した場合は、大声で威嚇することも。常に警戒心をゆるめず、ヘルメットと防護ベストを着用し、自分の身を守る警戒棒も携帯しています。


また、緊急対処員は、設置されたセキュリティーシステムの定期点検や、家族の安全を強化するためのアドバイスも行います。「植木などが生い茂り見通しが悪い場所はないか」、「2階のベランダへの足場となるような室外機の配置になっていないか」など、日頃から確認することで空き巣から狙われないように助言をします。さらに子どもが安心して留守番できるように、「『来訪者があっても玄関ドアは開けない』といった親子間のルールを事前に決める」など、セキュリティーのプロならではの視点は多岐にわたります。


緊急対処員は、「安全・安心」を提供するという、使命感を持って人々と接するので、「ありがとう」という言葉をもらう機会が多く、それがやりがいにつながっています。当たり前の日常を見守る警備の仕事を通して、社会に貢献しています。

どうしたらホームセキュリティーの緊急対処員になれるの?


警備会社に就職したのち、警備業法に基づいた教育を受けてから仕事ができます。格闘技経験など、特別な資格は必要ありません。

協力/セコム株式会社

取材・文/内藤綾子