放送室のマイク前、スタッフジャンパーを着たあの人、何してる?

2019.11.29 あのひと何してる?

甲子園球場(こうしえんきゅうじょう)アナウンサー

甲子園球場といえば、春夏に熱戦やドラマを生み出す高校野球の聖地。そんな熱き戦いをバックネット裏にある半地下の放送室から見守り、美しい声で花を添えるのが甲子園球場アナウンサー(ウグイス嬢)だ。他球場では男性もいるけれど、甲子園球場では5名の女性が、プロ野球(1・2軍)も含めた全試合を交代で担当しているんだって。(写真提供/阪神電気鉄道株式会社)

試合の盛り上がりを声で演出する、球場の職員


甲子園球場アナウンサーは、試合の進行に合わせてスコアカードに記入をしながら、場内アナウンスをしています。

 

バッターコールでは、選手の名前を明確にすることが最も重要。「4番、バッター、○○」などというコールでは、だんだん声を大きくするテクニックで、名前が際立つアナウンスを心がけています。唯一高校野球だけは、選手を「くん」付けしています。

 

観客にしっかり伝えるために、原稿の読み方に高低・緩急をつけたり、間合いを考える練習は日々欠かしません。本番では、選手のケガ、雨や災害での試合中断などに臨機応変に対応することはもちろん、サヨナラホームランなどが出たときも興奮する気持ちをグッと抑え、常に平常心で臨むことが必要です。

 

その他、場外(球場外周)アナウンス、テレホンサービスの録音、選手交代やランナーを知らせるスコアボードの操作なども行っています。プロ野球では1・2軍含め月に約6~8試合、高校野球では毎日1~2試合ほどを担当します。

 

試合がある限り、アナウンサーは休むことができません。体調不良は、そのまま声に影響するので、のどの乾燥対策に部屋を加湿する、マスクを着用する、こまめに水を飲むことを忘れず、違和感があれば早めに病院へ行くようにもしています。

 

球場の高揚感を演出する一員になれることが、この仕事の魅力。選手の活躍を観客へ届け、「甲子園球場はやっぱりいい」「選手の活躍をまた見たい」と思ってもらえるように、声でファンと選手の懸け橋になります。

どうしたら甲子園球場アナウンサーになれるの?


学歴や条件は問いません。採用後は、試合進行に関わる基礎的な野球のルールを理解し、スコアカードの記入方法も習得します。

協力/阪神電気鉄道株式会社

取材・文/内藤綾子