ゴルフ場の池に潜っているあのひと、何してる?

2019.10.23 あのひと何してる?

ロストボールダイバー

ゴルファーの打ったボールが、池に落ちてしまう“池ポチャ”を、テレビで見たことはあるかな。落ちたボールを、写真のように回収しているのがロストボールダイバーだ。回収したボールは「ロストボール」といって、キレイに洗浄して練習用として販売しているんだって。ボールを無駄にせず、リサイクルにも貢献しているんだね。(写真提供/株式会社ST-YOU『水中の便利屋』)

ヘドロだらけの池から手探りでボールを回収


ゴルフ場の池に落ちて拾えなくなったボールを、水中に潜って回収するのがロストボールダイバーの仕事です。

 

ゴルフ場での作業は、プレーヤーのいない時間に行われます。水中は危険を伴うので、ロストボールダイバー2名、陸上員1名というユニットを組んで安全確認しながら作業することが原則。ウエットスーツに酸素ボンベを背負ったフル装備にくわえ、ロストボールダイバーの位置が陸上からわかるように、目印となるブイと、無線機を付けています。

 

池は深さ約9mのところもあり、ヘドロだらけで、水中はほぼ見えないので、手探りでボールを探さなくてはいけません。大きな網に拾った球を入れていったん浮上。陸上員に渡し、新しい網と交換して再び水中へ。これを繰り返して、多いときで1万球を回収しています。

 

人工池のほか自然の池もあるので、流木が邪魔だったり、ヒル、ヘビ、ブラックバスなどの危険生物に出会ったりすることも。冬は、池の表面に張った氷を割りながら水に入るなど、熟練された潜水技術が求められます。

 

ヘドロだらけのボールを拾ったあとは、キレイに整備された芝を汚さないように掃除をして作業を終えます。

 

事務所に戻ると、池の水深や地形的な構造、どの辺りにボールが多くたまりやすいかなど、池ごとの情報を細かくデータ化。経験と情報を元に、次回、予想を立てた場所でボールがたくさん取れたときは、宝探しが成功した気分になります。

どうしたらロストボールダイバーになれるの?


厳密にはロストボールダイバーという職業はなく、「潜水士」という仕事のひとつ。学歴は関係ありませんが、潜水士の国家資格が必要です。民間の潜水会社などに就職して、3年間くらい海などに潜る経験を積むことがおすすめ。

協力/株式会社ST-YOU『水中の便利屋』

取材・文/内藤綾子