猟師
「猟師=毛皮を着て、銃を持って山を歩くおじいさん」なんてイメージがあるかも。でも、最近ではジビエ(狩猟で得た天然の野生鳥獣の肉)ブームなどの影響もあり、大学に狩猟サークルができたり、若い女性が猟師になったりするなど、あらゆる世代に広がっているよ。獲物に狙いを定め、銃を掲げる姿はりりしいね。(写真提供/鳥獣屋)
獲物は食肉や装飾品に。害獣駆除で人々の生活も守る
野生の動物や鳥を、食べる目的で捕獲する人を「猟師」と呼びます。イノシシや鹿をメインに、タヌキ、キツネ、ウサギ、カルガモ、キジ、スズメなどが捕獲の対象です。
捕獲した動物や鳥は、
・自宅で解体した場合は、猟師が自分で食べる、譲り渡すことが可能
・最近は、角、牙、皮を加工して装飾品などに活用するほか、骨髄は医療の研究機関で利用されることもあります。
害獣駆除も重要。野生動物は放置すると増え続け、人にケガをさせたり、作物を荒らして被害に困る農家が出ることも。役所の依頼で、クマ、鹿、イノシシ、猿、アライグマ、カラスなど、危険で迷惑な動物や鳥を駆除し人々の生活を守ります。
写真は「巻き狩り」といって、鹿やイノシシ猟で多い狩猟スタイルです。巻き狩りは、獣道に残る獲物の足跡を丁寧に観察し、昼間寝ている場所を想定。複数の猟師が連絡を取り合い、猟犬とともに射手の待つ場所へ獲物を追い込み、射手が仕留めます。
狩猟は、一般に11月1日~翌年3月15日まで(北海道のみ10月1日)。それ以外は、市町村別の有害駆除期間の範囲内で猟をします。昔は山奥だけで猟をしたものですが、今は里山での猟が主流です。一般の人が想像するよりも近い場所で猟をすることもあります。
人間から言えば、獲物を狙う緊張感や仕留める達成感など、日常では味わえない魅力がありますが、獲物側からすると生きるか死ぬかの真剣勝負なのです。
どうしたら猟師になれるの?
狩猟には、
・銃で撃つ
・わなを仕掛ける
・網を張る
という方法があり全て免許が必要。わなは18歳以上、銃(散弾、ライフル)の第一種は20歳以上が条件です。学科・適性・技能の3種におよぶ狩猟免許試験に合格したうえで、銃の所持には公安委員会が開催する講習会を受講してから修了試験に合格する必要があり、所持許可には精神科医の鑑定書も必要で、警察による身辺調査もあります。
生計が成り立っていないと銃の所持許可がおりないので、兼業か定年退職した人のみが猟師になれます。