グランドハンドリング
ここは東京・羽田空港。車を運転している作業が、グランドハンドリング業務のひとつ「プッシュバック」だ。この車は、トーイングトラクターと呼ばれる特殊車両。離陸前の飛行機はバック走行できないため、自走が可能となる誘導路まで移動するんだ。乗客を乗せた飛行機は約300トン。 空港の管制官と連絡を取りながら、空港内の決められた走路を押し出さなければならないから、このプッシュバックの作業はハンドル操作がとても難しいんだ。(写真提供/ANAエアポートサービス株式会社)
飛行機が安全・快適に運行するための機体周りのサポート業務を行う
グランドハンドリングのスタッフの業務は、上記のプッシュバックほか、エンジンを止めている間の飛行機に、電源を供給するところから、燃料の給油、貨物の搭載・搬出。さらに、飛行機を格納庫に移動したり、国際線から国内線の場所に移動したりするトーイングという作業、機体の除雪など、多岐にわたります。
また、1機の飛行機の到着・出発のためには、グランドハンドリングスタッフ以外にも、燃料の給油、機内食のケータリング、手荷物運搬、貨物の運搬、機体整備など、20人ほどのスタッフがそれぞれの業務を担っていますが、それらが間違いなく行われているか、最終チェックを行うのがグランドハンドリングのフライトインチャージの仕事です。
出発時には、最後にエンジンの回転が正常であることを目視し、キャプテン(パイロット)と無線で交信。飛行機が離陸準備を始めると、お客様を見送ります。
1人のグランドハンドリングスタッフが1日に担当する飛行機は、到着・出発を含め約10便。
1機につき約1時間ですべての業務を行います。同時に安全なフライトを確保しなくてはなりません。しかし、天候不良で到着便が遅れたりすることもあります。
そのため、周りのスタッフとしっかりコミュニケーションを取りながら業務に励み、日頃から柔軟に対応できるようにしています。
このような日常の業務に加え、飛行機が新しく海外の空港に就航することが決まったら、現地にスーパーバイザーとして派遣され、現地スタッフにグランドハンドリング業務の研修を行うこともあります。
グランドハンドラーになるにはどうしたらいいの?
空港運営会社に就職して、グランドハンドリングを担当する部署に配属されることでなることができます。別途専門学校でグランドハンドリングを学べる学科もあります。