巫女(みこ)
神社へ行くと、白衣に赤いはかま姿の巫女さんを見かけることがあるよね。日本の伝統的な職種であり、神社という神聖な場所で「神さまにお仕えする」のが巫女さんだ。福岡県の太宰府天満宮には約30名がお勤めしていて、写真は「飛梅ちぎり神事」で神さまに奉納する梅の実を集めている様子だよ。(写真提供/朝日新聞社)
神楽を舞い、お守りを授与する、神さまと参拝者の仲介人
巫女は神事や祭典時の神楽や舞の奉仕、参拝者へのお守りやお札・破魔矢などの授与、祈願の受付、境内の美化などが主な仕事です。
神楽は全部で7種あり(太宰府天満宮)、それぞれ舞はもちろん笛や琴、歌なども習得しなくてはいけません。神楽は文字通り、「神さまに楽しんでいただくこと」が大切なので、神さまに「よいお祭りだった」と喜んでもらえるよう、気持ちを込めて神事や祭典に臨んでいます。
また、お守りや祈願を通して、参拝者の願いや思いを神さまに届けることも大切な役割です。参拝者にすがすがしい気持ちでお参りしてもらうため、華美な髪や化粧は避け、白衣の汚れやほころびがないように細部への心配りを欠かしません。身だしなみだけでなく、言葉遣いの配慮も重要です。参拝者と応対するときに必要なのは、神社特有の言葉。
(お守りを)買う→受ける
売る→授与する
値段→初穂料
お客さま→参拝者
(最後のあいさつ)ありがとうございました→ようこそお参りくださいました(と、お見送り)
といったように一般的な接客用語とは違うので、自然に使いこなせるように身につけます。大みそかから元旦にかけての超繁忙期では、交代で仮眠をとったり、アルバイトの巫女さんに手伝ってもらいながら、厳かな言葉遣いやたたずまいを崩さないように心がけています。
どうしたら巫女になれるの?
神社の求人広告などで募集があるときに応募します。未婚の女性であること以外は必要な資格はありません。「かもじ」という垂れ髪をつけるため、髪は1つに結べるぐらい長いと理想的です。採用されると御祭神(ごさいじん)や神社の歴史を学んで知識を深め、神社の所作や作法を学びます。神楽の稽古もあります。一般に、巫女は20代後半で定年です。