実践! 「おしごと年鑑」授業リポート 第19回

進路やキャリアを考える!~企業紹介プレゼン大会を通して

北海道函館市立桔梗中学校
  • 総合学習(探究)
  • キャリア教育
2024.06.25 授業リポート

2023年度も、多くの学校で「おしごと年鑑」を活用した企業紹介プレゼン大会が行われました。そのなかの1校、北海道函館市立桔梗中学校の2年生で行われた取り組みをご紹介します。

タマスについて調べてプレゼンする生徒
卓球用具メーカー・タマスを選んで作成したプレゼン資料をみんなの前で披露。問いかけて挙手も促した
実践校
北海道函館市立桔梗中学校
学年
中学2年生(2023年度)6クラス計181人
授業
総合的な学習の時間
時間
31コマ
使った教材
「おしごと年鑑」(ウェブ版)
1~2コマ目

進路について考える

1年間にある総合的な学習の時間のうち、半分近くをキャリア教育にあてる計画で、4月はまずオリエンテーションとして、進学する高校を調べたり、進路について考えたりした。

3コマ目

企業紹介プレゼンテーションの概要をつかむ

これから取り組む企業紹介プレゼンテーションの概要について理解し、生徒各自が準備としてウェブ版「おしごと年鑑」に目を通すなどして、さまざまな会社や団体があることを知った。どの企業・団体のページを読むのかについては、サイト内の「おしごと診断」も試してみた。

4~13コマ目

職業人の話を聞く

企業紹介プレゼン大会に取り組む前に、出前授業で地元の企業や団体から社会人講師を呼んで仕事の意義ややりがいなどについて話を聞いた。また、進路学習会として、地元の高等学校教員による講話を聞く機会もあった。

14~23コマ目

資料作成と発表リハーサル

プレゼン大会で紹介したい企業を「おしごと年鑑」から選び、プレゼンテーション資料の作成に取り掛かった。生徒たちはそれまでにもプレゼンの経験はあったが、自分の興味・関心にもとづいて調べるところから始めたのは初めだったため、時間をかけた。資料作成に7コマを使い、3コマを使ってリハーサルも行った。

生徒が作成したプレゼンの画面
生徒が作成した日本保育サービスの紹介プレゼンのスライド画面

生徒が作成したプレゼンの画面
パイロットコーポレーションについてまとめたスライド画面
24~28コマ目

保護者参観でのクラス発表と学年全体での発表

まずは、各クラスで生徒1人ひとりが発表を行った。保護者の授業参観日に合わせて行われたため、多くの保護者が見守る中、緊張した生徒も多かった。

その後、生徒の投票によりクラス代表を決定。体育館に学年全員が集合し、クラス代表に選ばれた20人がみんなの前でプレゼンを行った。

体育館でのクラス代表によるプレゼン
体育館でのクラス代表によるプレゼン

生徒が作成したプレゼンの画面
ギンビスについてまとめたスライド画面
29~31コマ目

企業からのコメントと振り返り

代表に選ばれた生徒のプレゼン発表動画を各企業に見てもらい、コメントをもらった。振り返りの授業では、そのコメントが生徒たちに紹介され、生徒たちは具体的に社会とつながりを持てたことで、将来へのイメージを具体的にふくらませることができた。進路や将来の自分、また人とのつながりについて考え、一年間を通してのキャリア教育の授業を終えた。

企業から届いたコメント

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      調べた内容を理解し、自分の言葉にして、聞く人の顔を見ながら発表できているのが素敵でした。文房具を「丁寧に使っていこうと思った」という感想がとても嬉しかったです。 (パイロットコーポレーション)

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      冒頭から聴衆のみなさんを巻き込んでの堂々としたプレゼンに感心しました。当社の創業期の写真が沢山使用されており、一生懸命調べてくれたことがわかりました。(タマス)

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      当社の取り組みについて丁寧に調べ、自分の言葉でしっかりと伝えてられていて、とても感心しました。(日本保育サービス)

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      「景観色彩」に興味を持ち、「おしごと年鑑」に載っていなかった店舗の外観も調べていた点がうれしく、こちらも勉強になりました。(色彩検定協会)

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      原稿を見ずに懸命にプレゼンを行う姿、熱心に聞く生徒さんたちの様子に感銘を受けました。(日本臨床工学技士会)

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      iPS細胞についてよく勉強していて、スライドを見ず前だけを見て自分の言葉で相手が理解しやすいように説明していて感心しました。(住友ファーマ)

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      一語一語ゆっくりハキハキと自信を持って話しているのが印象的でした。記事の内容と自分自身の身体について考え、自分事化できており、素晴らしいと思いました。(大塚製薬)

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      当社の事業が社会に与える影響から、未来の姿について流れの説明構成がわかりやすく、良かったです。(東日本高速道路)

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      これからも色々なことに興味を持って、調べてみてください。将来の仕事を考えるとき、建設会社や鹿島建設を思い出してくれたら、とても嬉しいです。(鹿島建設)

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      ストーリー性のある発表に加え、「仕事ひとつひとつに役割があり、社会が成り立っている」という言葉を聞き、社会で働く私たち大人も、とても励みになりました。(イオンペット)

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      「こども食堂支援活動」にも焦点があてられていて、今の中学生がこうした社会問題にも関心があるのだと身近に感じることができました。(日本KFCホールディングス)

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      当社の活動を環境・地域という2つの側面から具体的な事例を用いて分かりやすく説明されていた点にとても感心しました。(セブンーイレブン・ジャパン)

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      細かなところまでしっかりと調べられていて感心しました。あえて改善点を挙げるなら、発表中に紙と聞き手を交互に見られると、さらに良くなると感じました。(ギンビス)

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      聞き取りやすいスピード・丁寧な言葉づかいでのプレゼンが良かったです。愛玩動物看護師についても要点を絞って簡潔にまとめてあり、短いながら分かりやすい構成でした。(ヤマザキ学園)

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      RO水及びRO膜の特徴がとても分かりやすく発表されていました。時間があるときにRO水と天然水の違いなども調べてみてください。(アクアクララ)

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      生徒さんの声が落ち着いていて安心感がありました。セコムの歴史、セキュリティ、さまざまな事業展開について1枚のスライドで簡潔に紹介されていて、とても分かりやすかったです。(セコム)

クラス代表として発表した生徒たちの画像
クラス代表として発表した生徒たち

企画・担当した先生から


桔梗中学校の鳥海千都子教諭
鳥海千都子 教諭

4月の時点では「将来のイメージもまだつかめない」と言っていた生徒たちが、振り返り授業でのアンケートで「⾃分の将来(⽣き⽅なども含む)について考えることはできたか」という質問に、9割以上が「できた」「まあまあできた」と回答していたのがうれしかったですね。また、単に発表して終わりではなく、企業からコメントをもらえたことで、生徒たちが社会や企業とのつながりが感じられたのも良かったです。プレゼンは高校でも、また将来社会に出ても求められる力。この経験を通して自己アピールの1つとして、自信につながったと思います。

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