「おしごと年鑑」を使った企業紹介プレゼンテーション(プレゼン)大会の取り組みが学校に広がっています。北海道厚沢部(あっさぶ)町立厚沢部中学校の2年生は2022年度、キャリア教育授業として企業紹介プレゼンに挑戦。発表の模様を動画で見た企業との交流も生まれました。
- 実践校
- 北海道厚沢部町立厚沢部中学校
- 学年
- 中学2年生(2022年度)計21人
- 授業
- 総合的な学習の時間
- 時間
- 7コマ(2022年12月22日~2023年2月8日)
- 使った教材
- 「おしごと年鑑2022」(本とウェブ版)
- 学習の目標
- ①調べ学習を通して「働くことの意義」や「企業と社会とのつながり」について学び、ともに発表し合うことで考えを深める。②さまざまな職業を知り、自分の将来について考える。
企業を選ぶ
学習の目標と授業の流れを確認した後、生徒たちは「おしごと年鑑」をめくり、紹介したい企業を選んだ。コロナ禍で中止となった職場体験学習の受け入れ先の業種を選ぶ生徒もいた。企業選びには、サイト内の「おしごと診断」を活用することもおすすめだ。
プレゼン資料作り
約2分のプレゼンで使うスライド資料をGoogleスライドやパワーポイントで作成。ウェブ版「おしごと年鑑」などから画像をスライドに貼り付け、見やすい資料作りをした。プレゼンの手順はNHKの学校放送番組の動画を見返して、参考にした。
リハーサル
原稿を読みながらの次のスライドへの移行、クイズの集計がQRコードからできるかなどを確認。
参観で発表!
授業参観で保護者を前に発表。保護者は見事な発表に感心したり、クイズを楽しんだりした。
企業から多くの反響が届いた!
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タイトルを「ラップで包むとどんな効果があるの?」という質問にしていたところが、聞く人の興味をひき、いいなと思いました。 (旭化成)
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会社の情報を、企業概要→3事業→グルーミング事業と、大分類から段階的に説明する構成が非常に良いと思いました。(イオンペット)
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ギンビスの由来、歴史などをわかりやすくスライドにまとめていて、弊社が大切にしていることをご理解いただき大変うれしく思います。(ギンビス)
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その場でうどん派・そば派の割合を見せる仕組みは素晴らしいです。グラフなどで見える化することは理解を促すのに大変有効です。(東洋水産)
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書体や色で読みやすさが変わるので、「誰もが見やすくなっているか」に配慮してスライドを作るとさらに良くなると思います。(成田国際空港)
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最後のまとめは要点をしっかり押さえており、海運がいかに生活に欠かせない物を運んでいるかが十分に伝わったと思います。(日本船主協会)
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協会内で視聴しました。職員から「動画を見てやる気がわいた」「興味を持ってくれてうれしい」などの声が上がりました。(日本対がん協会)
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まとめの学びは今後にも生かせます。興味分野の深掘りなど、思考力や発想力を豊かに、たくさん吸収してほしいです。(パイロットコーポレーション)
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多くの人が驚く「材料はたったの2%、98%が空気で出来ている」を、冒頭にクイズ形式で問いかけるのは大変良いと思いました。(発泡スチロール協会)
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当社グループの資料から、エンジンの開発者や機械としての特徴まで深掘りされており、素晴らしいと思いました。(三菱重工業)
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猫を飼っているとのこと、動物看護教育に興味を持つきっかけになれば光栄です。東京に来られるときは、ぜひ見学に来てくださいね。(ヤマザキ学園)
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弊社が大切にしている企業精神「善の巡環」にも触れてくださり、YKK のことをよく調べてくださったことがわかり、大変うれしく拝見しました。(YKK)
企画・担当した先生から
鳥海陽一 教諭
きっかけはコロナ禍でした。2022年秋、生徒たちが楽しみにしていた職場体験学習が コロナ感染者数の急増で2度延期に。それでも、ふだん体験できないことを通して視野を広げられないか――と考えあぐねていたときに、『おしごと年鑑2022』に載っていた大阪の中学校の企業紹介プレゼン大会を思い出し、編集部に連絡をとりました。生徒たちは職 場体験学習の準備で、仕事や業界への興味はそれぞれ深めていて、主体的に企業を選びプレゼンに取り組めたと感じています。思いがけず企業の方々から助言や熱いメッセージをいただき、子どもたちにとって大きな刺激になりました。企業と社会、そして自分とのつながりを感じられたと思います。