茨城県大洗町では小・中学校でのキャリア教育に力を入れ、「おしごと年鑑」を活用した授業を展開しています。大洗町立大洗小学校で2022年11月末に、地元の曲がり松商店街の協力を得た「商業体験」を6年生の総合的な学習の時間で実施しました。その事前学習として、世の中にどんな仕事があるのかを調べる授業を「おしごと年鑑」を使って2回行いました。ワークシートを活用した授業の様子をご紹介します。
- 実践校
- 茨城県東茨城郡 大洗町立大洗小学校
- 学年
- 小学6年生(2022年度)1クラス計42人
- 授業
- 総合的な学習の時間(キャリア教育として)
- 時間
- 2コマ(2022年11月11日、11月22日)
- 使った教材
- 『おしごと年鑑2022』、ウェブ版「おしごと年鑑」
調べる仕事を「おしごと年鑑」から選ぶ
「おしごと年鑑」に掲載されている数多くの仕事から、どうやって1つを選べばいいのか。先生はそのポイントとして「興味を持ったお仕事」「将来やりたいお仕事」「商業体験に関連したお仕事」の3つを挙げた。
児童たちは「おしごと年鑑」を開き、「犬がいる!」と写真から興味のあるページを選んだり、巻頭の「運命の1社がわかる! おしごと診断」を試したりして、自分におすすめのページを探したりした。
5人ずつほどのグループに分かれての授業だったので、「どのページにした?」「わたしに向いてるのって何だと思う?」などと、友だちに相談しながら進める姿も多く見られた。
ワークシートに調べたことや感想を記入
仕事が決まったら、「おしごと調べ学習ワークシート」にある4つの項目を記入していった。
①この仕事を選んだ理由
②調べてみてわかったこと
③この仕事の人に聞いてみたいこと
④この仕事を調べての感想
児童たちに人気の食べ物に関係した仕事や動物に関係した仕事の他にも、「お金とのつきあいがうまくなりたい」という理由で大和証券のページを選んだり、「大洗よりも遠いところに行く場合にサービスエリアを使いたい」と東日本高速道路のページを選んだりするなど、幅広い仕事への関心が伺えた。
グループ内でワークシートの内容を発表
ワークシートが完成したところで、グループの中で発表をしあった。 「商品の名前を守る弁理士という仕事がある」(日本弁理士会)、「コンビニは食品ロスを減らす努力をしている」(セブン-イレブン・ジャパン)など、「おしごと年鑑」を読んで学んだことを教えあった。
「有名なお菓子メーカーの歴史を知ることができてうれしかった」(ギンビス)、「環境にやさしいリユースってすごいと思った」(ブックオフグループホールディングス、エコリング)といった感想を聞きながら、友だちが選んだページについてもそれぞれが読み込んでいた。
将来の自分を想像する
最後に「○年後のキミはなにしてる?」のワークシートを見ながら、将来の自分について想像した。
「10年後だと22歳……えーわかんないよ」「何がしたいかなぁ、自由に生きたい」と悩む児童が多い中、「警察官になりたい」など具体的な仕事が出てきたときには拍手が起こった。
「自分が働く姿」の想像をすることで、この後に予定する商業体験への心構えにつながったようだった。