
流し台・コンロ、調理台などが並ぶキッチン。実は今のような形になったのは戦後のことです。どう進化してきたのか、ホーロー製品でキッチンを変えてきたタカラスタンダードに聞きました。
- キッチンを作る仕事
- ホーロー開発の仕事
- 生活を快適にする仕事
昔は土間などで炊事をしていました。今のキッチンでは水や熱に強いホーローが大きな役割を果たしています。

キッチンがどのように変わってきたのか、タカラスタンダードのホーロー製品と共にチェック。
日本のキッチンの始まりは縄文時代?
縄文時代、竪穴(たてあな)式住居の中には加熱するための炉がありました。これが、住居内で調理する場所=台所の始まり。なお、住居の外には燻製(くんせい)用の炉もあったようです。

江戸時代
炊事は土間を中心に
畳が庶民の家にも普及しだすと、土間(玄関と部屋の間にあった地面のままの場所)に水桶(みずおけ)、スノコなど木製の流し、かまどなどを置いて料理をするようになりました。
明治時代
土間と板の間で炊事
土間に流しを置き、床上の板の間にかまどを置いて、2カ所で炊事を行うのが一般的になります。
江戸時代、明治時代を通じて、キッチンは住居の端、生活の場の外にありました。
流しやかまどでは、しゃがんで作業したので、体に負担が!

▲明治時代の庶民住宅の台所
提供:キッチン・バス工業会
明治時代までのキッチンは今とは全然ちがったんだね!


昔は大変だったんじゃ!

大正末〜昭和初期
大正時代に台所改善運動
大正時代に入ると「台所改善運動」が起こりました。うずくまって作業しなくてすむような台所の構造が考えられました。水道、ガス、電気などの設備も整いはじめ、昭和に入るころに都市部では、立った姿勢で炊事ができる台所が定着しはじめました。
使いやすいキッチンを作ろうと考えたんだね!

▲台所設計図案懸賞の当選案
提供:キッチン・バス工業会

1960年代〜70年代
戦後、高度成長期にダイニングキッチンが広まる
第2次大戦後の日本の住宅事情は劣悪でしたが、高度経済成長期を迎え大きく変化。都市近郊に建設された団地の食事室とキッチンを兼ねた「ダイニングキッチン(DK:ディーケー)」が話題となり、一般家庭に広まっていきました。流し台にはピカピカのステンレスが使われるように。
電気冷蔵庫や電気炊飯器も普及し、炊事作業はぐっと楽に!

▲公団住宅のダイニングキッチン
提供:キッチン・バス工業会
1967年
ホーロー流し台を発売
丈夫で使いやすいホーローを使った流し台。キャビネットもホーローで、主流だった木製キャビネットに比べて強く、手入れが楽なことが注目されます。

1972年
花柄パターンのホーロー流し台を発売
人々の暮らしにゆとりが生まれてきた中、花柄がブームに。ホーロー製のキャビネットの扉に花柄をプリントした流し台は、人気を呼びました。


1980年代〜2000年
LDK(エルディーケー)が一般化し、システムキッチンが浸透
1980年代にはDKにリビングが加わったLDKが登場。流し台・コンロ・調理台・収納を一体化させた機能的な「システムキッチン」が一般家庭にも浸透します。
1985年、タカラスタンダードのホーローシステムキッチン発売

▲水回りに最適なホーロー素材を使った
ホーローシステムキッチンが誕生

現代
コミュニケーション重視のキッチンへ
生活スタイルの変化と共にキッチンも変化。現代ではキッチンは家族団らんの空間として重視され、コミュニケーションが取りやすい「対面型」が主流に。また、炊事時間短縮、家事の効率化のため、より高い機能性も求められています。
対面型キッチンが主流に

▲キッチンがダイニング側を向いた「対面型」。
炊事をしながら、家族でコミュニケーションが取れます
ホーローってどんなもの?
ホーローは金属(主に鉄)の表面にガラス質の粉末(釉薬:ゆうやく)を塗り、高温で焼き付けて密着させたものです。琺瑯とも書きます。「割れにくくて丈夫な金属」と「水や熱に強く、美しいガラス」の両方の良いところが合体した優れた素材です。
水を使ったり、加熱したりするキッチンの設備にホーローの素材はとても適しています。

キッチンを快適にするホーローの特徴
●汚れに強く手入れが簡単
表面がガラス質なので、油や調味料や洗剤がついてもしみこみません。水拭きでつねに清潔な状態を保てます。
●熱に強い
高温(約850度)で製造されているので、熱に強く、変形・変色しにくい素材です。
●キズに強い
ひっかいたり、たわしでこすってもキズがつきにくい素材です。
●臭いがつかない
ペットの臭いやタバコなどの臭いがしみこみません。
●リサイクルできる
ホーローの主成分は鉄なので、リサイクルが可能です。
キッチンに使われるホーローは高い強度が求められます。タカラスタンダードでは独自の技術で「高品位ホーロー」を開発し、生産しています。

ホーロー製品開発と共に子どもの未来を創る活動も
タカラスタンダード株式会社 営業本部
コミュニケーション推進部 大山友里さん
私たちタカラスタンダードは地球にやさしい高品質のホーロー製品を開発しているだけではなく、子どもたちの未来を創る取り組みも行っています。
キッザニア甲子園ではキッチン提案の仕事が体験できるキッチンリフォームセンターを開いています(下の写真)。リアルな社会体験を通して生きる力が身についていきますので、ぜひ体験しに来てください。また、キッチンを製造販売する私たちだからこそ「食」への支援を通じて一人でも多くの子どもを笑顔にしたい。そんな思いから「こども食堂」への寄付を行っています。

キッザニアでお待ちしています!
