怪獣は街を壊す! 解体工事も街を壊す仕事だけど、どう違う?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2025年度
第一カッター興業株式会社

怪獣が街で暴れて建物や道路などを壊すシーン、アニメや映画などでよくありますね。解体工事も建物や道路を壊しますが、怪獣とはどう違うのか、第一カッター興業に聞きました。

  • 解体工事の仕事
  • インフラを整備する仕事
  • 環境にやさしい仕事

解体工事はただ壊すだけではなく、改修や再生も考えてきちんと計算して壊しているよ。

怪獣のようにむやみに壊さない!

解体工事は、壊してほしいと依頼されたところを壊します。それ以外のところは壊しません。つまり「壊しすぎ」や「無駄な仕事」は発生しません。解体工事は環境や人にやさしいエコな仕事なのです。

怪獣のようにむやみに壊さない
怪獣コワスドン

怪獣コワスドン

頼まれてもいないのに自分勝手に街を壊す。とても迷惑!

解体工事

解体工事

狙ったところだけをピンポイントで壊す。ウォータージェット工法!

日本の大問題! インフラの老朽化には解体工事が不可欠!

電気、ガス、水道、道路や橋、公共施設など人々の社会生活の基盤となるものを「インフラ」といいます。国内インフラの多くは50年以上前につくられたもので、現在、各地でその老朽化が問題になっています。老朽化の対策は、傷んだ部分だけを直していく「改修」が基本です。傷んだ部分を壊す仕事(解体工事)は今の時代に欠かせないものです。

いろんなところで問題が起きているよね!

ミナト
昔のニュース

日本の高度経済成長期

1955(昭和30)〜1973(昭和48)年頃、日本は経済が大きく成長し、この時代にインフラの多くが整備されました。コンクリートの耐用年数は50年ほどとも言われるため、現在、改修が必要になっているのです。

1964年10月、東海道新幹線が開通

1964年10月、東海道新幹線が開通

カッコイイね!

解体工事の強力な味方! ダイヤモンドと水のパワー!

解体工事の現場で使われる道具は特殊です。ダイヤモンドをコーティングしたカッターやワイヤー、高圧の水を噴射するハンドガンなどを使い、硬いコンクリートを切ったり粉砕したりしていきます。

フラットソーイング工法

▲︎フラットソーイング工法

切断の深さは最大80cmまで到達!

ワイヤーソーイング工法

▲︎ワイヤーソーイング工法

コンクリートでも鉄筋でもなんでも切断!

ウォータージェット工法

▲︎ウォータージェット工法

水はマッハ1〜2の速度になる!

〝つくる〞製造業と〝壊す〞解体業、どちらが大変!?

ものをつくる仕事が製造業、逆にものを壊す仕事が解体業です。仕事を比べてみると、製造業は機械化や自動化がしやすく、解体業はそれがしにくい傾向があります。解体の現場は一定ではないからです。「機械化しにくい=人が仕事をしなくてはならない」。そう考えると、人の仕事が多い解体業は大変とはいえ、人の力が求められる仕事ともいえます。

解体工事の現場

解体の仕事には人の力が必要ってことだね!

ミナ

AI(エーアイ)に〝仕事を取られない〞解体現場の作業!

AIがどんどん発達しています。現在、人が行っている仕事が、将来はAIに置き換わる可能性もあります。AIは情報の判断や作業の効率化面で優れ、工場など環境が整えられたところで力を発揮します。しかし、解体工事の現場は、予測できない環境。そんな現場には、やはり人の手と力が必要なのです。

AIに仕事を取られない解体現場の作業

現場での作業の様子

「ものを壊す」 技術をもっと上手くするため、いろいろな人が協力して仕事をしています!

答えてくれた人

第一カッター興業株式会社
管理本部人事部人事課 宇都宮 愛実さん

第一カッター興業では、みんなが自分の得意な技を使って、いろいろなものを壊す仕事をしています。決まったやり方に従って仕事をする会社が増えている一方、ものを壊す仕事は、決まったやり方に従って仕事をするのが難しいです。働く人の技術をもっと上手にすることが大切なので、私たちは、技術を教えたり応援したりする仕組みをみんなで考えています。実際に作業をする人も、仕組みを考える人も会社には必要なのです。

会社全体のチームワークを大切にしています!

答えてくれた人