
地球温暖化を止めるには、燃料やエネルギーの見直しも必要だね。世界で活躍するエネルギー開発会社INPEXに、環境にやさしい未来のエネルギーとして期待される「ブルー水素」について聞いてみたよ。
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天然ガスなどを原料とし、CO2(二酸化炭素)を地中に埋めることで大気への排出を防ぐ、環境にやさしい水素だよ。
どうして水素は環境にやさしいの?
水素にはこんな特徴があるよ

水素は地球上にたくさんある気体。その多くは酸素と結びついて水となり、あらゆるところに存在しているよ。酸素と結びつくと、電気を発生させることもできるんだ。
水素って身近なものやエネルギーのもとなんだね。

燃焼時にCO2が出ない水素は、環境にやさしい次世代エネルギーとして期待されているよ。また、ちっ素と結びつくと、アンモニアがつくられる。アンモニアも、燃焼時にCO2を発生させないクリーンな燃料。水素よりも取り扱いやすい気体だから、水素を大量に運ぶために、アンモニアの形にすることもあるよ。


水素は3種類の作り方があるよ!
天然ガスや石炭などの化石燃料を燃焼させてつくられる水素のうち、大気中にCO2を排出するものを「グレー水素」、発生したCO2を回収して地中に埋めるなどの処理をしたものを「ブルー水素」と呼ぶ。再生可能エネルギーによる電気を利用して、CO2を全く出さない「グリーン水素」もあるよ。

日本は水素社会に向かって進んでいるよ
水素は、地球温暖化対策に欠かせない次世代のエネルギー源。水素をあらゆるところで使う社会の実現をめざして政府が決めた「水素基本戦略」でも、2040年までに年間1200万トンの水素を導入する目標が掲げられているよ。

水素をいろんな場で活用する社会を目指しているポン。

ブルー水素の製造に挑戦中!
INPEXは2025年、新潟県柏崎市のプラントで、国産の天然ガスを用いたブルー水素・アンモニアの製造、国内枯渇ガス田でのCCUS(シーシーユーエス)の実施、さらに発電等による利用までを、一貫して実証を開始する予定だよ。この取り組みは、日本初のチャレンジなんだ。

新潟県にある南長岡ガス田でとれた天然ガスを使ってブルー水素をつくり、そこから電力とアンモニアを生産するよ。電力は新潟県内で利用され、アンモニアは肥料の原料などになる予定なんだ。

新潟県柏崎市ブルー水素・アンモニア実証施設

▼これが実証施設の建物(建設中)だよ


地中に埋めたCO2を活用することをCCUS(Carbon dioxide Capture Utilization and Storage:カーボン ダイオキサイド キャプチャー ユーティリゼイション アンド ストレージ、二酸化炭素の分離・回収、活用、貯留)と言うよ=下のコラム参照。
地中に埋めたCO2も有効利用せよ!
この実証試験では、水素をつくるときに発生するCO2を枯渇したガス田に圧入して、CO2の排出量を削減する。さらに、圧入されたCO2が地下に残されたガスを押し出すことによってガスの生産量を増やす効果も確認する計画だよ。

低炭素化の風を新潟の柏崎から世界へ届けます
株式会社INPEX 低炭素ソリューション事業本部
技術推進ユニット 新潟実証グループ 西出真大さん
INPEXはこれまで、石油・天然ガス開発技術やそれに関連する豊富な知識を培ってきました。それらを生かし、新潟県柏崎市での「ブルー水素・アンモニア実証試験」では、天然ガス生産から水素やアンモニアの製造・利用までのプロセス全体で低炭素化を実現するシステムの構築をめざしています。
私は、水素製造の際に発生するCO2を地下に貯留する技術を構築するエンジニアリングを担当しています。柏崎で新たに得られたCO2貯留技術が、世界の低炭素化の推進に役立てばうれしいです!
環境にやさしいエネルギー技術をつくります!
