卓球台を挟んで3mほどの距離で繰り広げられる白熱の競技・卓球。「バタフライ」ブランドを展開する卓球用品の総合メーカーであるタマスに、世界のトップ選手たちが活躍し続ける裏側を教えてもらいました。
- 卓球用品をつくる仕事
- 技術研究の仕事
- スポーツ選手を支える仕事
選手の強みをさらに引き出す用具を提案したり、開発したりしているよ。
日々の対応から大会まで選手を支える「選手サポート」チーム
「選手サポート課」という専門チームでは、選手が大会で最大限の力を発揮できるように、細かなサポートを行います。バタフライの契約選手は世界に約300人。選手との用具相談ではさまざまな言語が飛び交います。選手の要望をくみ取り、日々の練習で技術が向上できるよう、そして大会で活躍できるように支えています。
世界中のトップ選手と直接関わる仕事だよ!
日々の選手のサポート
もう少し威力を出したいんですね。
それならラバーの種類を変えてみましょうか?
プレーに大きな影響を与えるラケットとラバーは選手にとってひときわ大切なもの。高いレベルの技術を実現するために調整を重ねます。
世界のさまざまな国と地域から東京本社の隣にある「バタフライ卓球道場」に選手がやってくるので、それぞれに合った用具選びをサポートします。滞在中は、強豪チームとの練習を組んだり、移動時や宿泊のサポートもします。
(日本の裏側の)ブラジルとアルゼンチンからバタフライ卓球道場に練習に来ました!
大会で選手のサポート
大会前後は選手とコミュニケーションをとりながら用具調整を行うほか、大会中に用具のトレンドを把握するための調査もします。世界卓球選手権2024釜山大会(写真上)の全出場選手の用具調査でのバタフライユーザーはラケットが51.8%、ラバーが50.3%。現地ではこうした調査も行います。
将来のスター選手の発掘も!
選手サポートチームは各種大会で視察を重ね、小さな頃からきらりと光るプレーをする選手を見つけます。ともに成長していけそうな選手は、契約のためいち早くスカウト!
選手サポートの役割はたくさんあるのね!
さまざまな選手たちの声を知り尽くし、その先を行く「研究開発」チーム
卓球は直径40mm、わずか2.7gのボールを打ち合うスポーツ。用具の性能で打球の回転やスピードが大きく変わる場合もあります。選手自身の感覚が重要なのはもちろん、客観的な評価も大事。そこで登場するのが研究開発部門。最新技術によって生まれた新たな用具などを試してもらいながら、トップ選手のための用具を総力戦で調整しています。
新製品が生まれる舞台裏だポン!
❶ データの蓄積
最新の測定機器を駆使し、ラケットやラバーが持つ特性をデータとして蓄積。地道な作業だが、多くの要素のデータを持つからこそ、新たなイノベーション(革新)が起こせます。
❷ 新素材/新技術の情報収集
国内外の最新の論文を読んで、ラケットやラバーに使えそうな新素材や新技術の情報を収集。見つけた情報をもとに、実際に試作品を作っては測定し、革新的な技術のタネを見つけます。
❸ 新製品開発へ
見つけた革新的な技術のタネを育てて、今ある製品を上回る性能を追求する。数字では表せない性能や打球の感覚について、発売前の製品を選手に試してもらいながら開発をつきつめ、製品を生み出します。
トップ選手の多くの声を丁寧に聞き、たくさんの情報を集めて、新製品が生まれるんじゃ!
選手と二人三脚で、よりよい製品を世界へと送り出します
株式会社タマス
販売支援部 選手サポート課 柴田光明さん(左)
研究開発部 新技術開発課 濵田悠司さん(右)
選手サポート課は、トップ選手と丁寧なコミュニケーションを取ることを大切にしています。私たちが提供した用具で選手の技術が向上したり、大会で勝ったりしている姿を見ると、とてもうれしいです。研究開発部門が常に最新の革新的な用具を追求してくれるので、自信をもって提供できます(柴田さん)。
製品開発には10年近くの歳月がかかることも。アイデアのタネを製品にするまでを少人数で行うので、製品への愛着がわきやすく、大きな達成感を得られます。トップ選手と二人三脚で開発することもあり、そうして生まれた製品で世界中の人が卓球を楽しんでくれることは私たちの大きなやりがいです(濵田さん)。
選手を支えるバタフライの技術力を動画でチェック!