工事現場などで活躍している、スパイダー(くも)のような機械があるんだって! しかも変身するらしい! それはいったい何で、どのように使われているのかを、古河機械金属に聞きました。
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コンパクトなボディで狭い場所にも移動し、クレーン作業ができるミニ・クローラクレーンのことだよ。
クレーン車は重いものをつり上げて運ぶ、工事現場では欠かせない機械です。ところが狭い場所や室内などにクレーン車は入れず、つり上げ作業ができません。そこで活躍するのが、コンパクトなボディを持ち、自分で移動できるミニ・クローラクレーンです。環境にやさしいバッテリー式で、CO2(シーオーツー/二酸化炭素)を排出しません。国内だけでなく、欧米にも活躍の場を広げ、海外では「スパイダークレーン」の愛称で親しまれています。
コンパクトボディだから狭い場所でも移動可能
ミニ・クローラクレーンは足を折りたたんで走行するため、横幅はとても細く、狭いドアを通っての移動が可能です
移動先で足を伸ばしてスパイダーに変身!
移動先で折りたたんでいた足を伸ばし、スパイダーのような姿勢で大きく踏んばり安定させることで、クレーン作業を可能にします
まさにスパイダーのような形じゃな!
クローラって何?
クローラとは、ベルトのようなもので車輪を動かして、車両を移動させるものです。クローラは安定性が高いので、悪路でも移動できます。
こんなところで、ミニ・クローラクレーンが大活躍!
ミニ・クローラクレーンは、狭い場所に入ってクレーン作業ができるため、少し特殊な工事現場で活躍しています。室内の工事現場や博物館、高層ビル、トンネル内、墓地など、普通のクレーン車が入れない場所で活躍します。その現場を見てみましょう。
工事現場の室内で
▲ビルやショッピングモールの建設現場で、大型ガラスの設置などに使用
美術館や博物館で
▲美術館や博物館などで、絵画やはく製などのデリケートな展示物の設置に使用
造園や墓地などで
▲道路からのアクセスが悪い造園や墓地などで、植木や墓石の設置に使用
トンネル内で
▲狭いトンネル内で、配管の設置作業やメンテナンスに使用
高層ビルの屋上で
▲イギリス・ロンドンの高層ビル「ザ・シャード」の建設では、屋上に設置し、ガラスのはめ込み作業で活躍しました
クレーンは「油圧の原理」というしくみで動いているよ
太さの違う注射器を細い管でつないで液体を満たし、細い注射器に力を加えると、加えた力以上に大きなものを持ち上げられます。クレーンはこの原理を応用して、油の流れをコントロールすることでクレーンを動かし、重い荷物をつり上げます。
CO2排出ゼロ! 環境にやさしいミニ・クローラクレーンです!
古河機械金属グループ 古河ユニック株式会社
営業本部国内営業部営業推進課 齋藤ことみさん
古河ユニックには、CO2を含む排出ガスをまったく出さない、バッテリーを使って電気モーターだけで動くミニ・クローラクレーンがあります。環境にやさしいだけでなく、ガソリンエンジンと比べて作業時にとっても静かです。これは、排出ガスを出せない室内作業にお困りのお客様の声から誕生しました。より使いやすい製品を目指して、電源コードのいらないバッテリーで動くようにしました。家庭用のコンセントでも充電できるんですよ。
クレーン作業をするときは安全が第一です。ミニ・クローラクレーンは、ひっくり返るような危険な作業になる前に、音で知らせたり、自動でストップする装置がついていたり、安全面にもこだわって開発しました。私たちはこれからも安全性と使いやすさを追求し、実際にご使用になる皆様と地球環境に寄り添った製品づくりを続けていきます。
ミニ・クローラクレーンだけでなく、トラック搭載型クレーンの「ユニッククレーン」も製造しています。