ダイコンの首が青いのは(緑色なのは)なぜ?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2024年度
タキイ種苗株式会社

ダイコンの葉の付け根の下あたりを首といい、首が青い(緑色の)ダイコンを青首大根といいます。どうしてダイコンの首は青いのか、タキイ種苗に聞きました。

  • 野菜の苗をつくる仕事
  • 植物の種をつくる仕事
  • 品種改良の仕事

地面から出た首の部分に光があたり、青く(緑色に)なるんだ。

引き抜きやすさとおいしさで、一気に広まった!

昔(50年以上前)はダイコンといえば、真っ白な白首大根が主流でした。青首大根は関西や中部地方など一部の地域だけのものでした。しかし、1974年ごろ、タキイ種苗が従来の品種より暑さや病気に強くてよく育ち、甘くておいしい「耐病総太り」という青首大根を開発したことで、青首のダイコンが全国に一気に広まりました。

ダイコンの旬は冬だけど、今は1年中とれるようになったんじゃ。

ドングリーン

青首大根(品種:耐病総太り)

青首大根(品種:耐病総太り)

味の特徴

水分が多く、甘味がある

青首大根(品種:耐病総太り)

青首大根は地面から首の部分がぐっと上がってきて、その部分に光があたり、緑色になる

お店でよく見るのはこのダイコンだポン!

ガラポン

白首大根(品種:おふくろ)

白首大根(品種:おふくろ)

味の特徴

水分が少なく、甘味が少ない

白首大根(品種:おふくろ)

白首大根は地面からあまり上がってこないので、緑色にならない

ジュン

白首大根は練馬大根や三浦大根、和歌山大根など、主に地方野菜として今でもつくられているよ。

青首大根の青い首は、じつは「茎」の一部!

青首大根の青い首の部分は、地面から伸び出てきた部分で、ここは「胚軸」の一部です。胚軸より下の白い部分が「根」です。ダイコンによく似たカブは、丸い部分全体が胚軸です。

青首大根の青い首は、じつは「茎」の一部!

ダイコンもカブも根っこが辛い!

青首大根は部分によって味が違います。首のほうは甘く、下(根)のほうは辛味が強くなります。これはカブも同じですが、胚軸は甘く、根は辛いと覚えておきましょう。

ダイコンはどこからやってきた!?

ダイコンの原産地は地中海沿岸や中央アジアなどの説があり、はっきりとわかっていません。今からおよそ1300年前に書かれた日本最古の書物『古事記』に、ダイコンの記述が見られるので、その前から日本に伝わっていたことは間違いありません。

ダイコンの原産地

ダイコンは中国や朝鮮半島を経由して、日本に伝わった

5000年前の古代エジプトでも食べられていたんだって!

ミナ
日本原産の野菜は数少ない

ダイコンに限らず、キャベツ、ニンジン、ジャガイモ、キュウリ、トマトなど私たちがよく食べる野菜は、ほとんどが外国から伝わってきたものです。日本原産の野菜はミツバ、セリ、ワサビなど、数は多くありません。

日本原産の野菜は数少ない

10年後、20年後を見すえた研究をしています!

答えてくれた人

タキイ種苗株式会社 広報出版部 岡本 祐さん

異常気象が世界的に心配されています。日本でも急激な気温の変化や、豪雨が頻発しており、ダイコンをはじめ畑で栽培する野菜は、特に環境の変化に大きく左右されやすいものです。しかし、単に悪い環境に強い品種を開発するだけでは十分ではなく、安定して収穫・出荷できる品種が求められています。1年中、いつでもスーパーや八百屋にダイコンが並んでいますが、実際に自分で栽培してみると、大きく均一に育てることの難しさを感じると思います。冬が旬のダイコン、秋にタネをまいて、ダイコン栽培に挑戦してみましょう。

ダイコン栽培に挑戦してみてね!

答えてくれた人