みんなが一生懸命考えた形やデザインを勝手に真似されたらどうする? 実は製品の形やデザインを守るために「意匠権(いしょうけん)」という権利があります。「意匠権」について日本弁理士会に教えてもらいました。
- 権利を守る仕事
- 大事な書類づくりの仕事
- 資格がいる仕事
「もの」のデザインは「意匠権」という知的財産権で守ることができ、弁理士が知的財産権を守るお手伝いをするよ。
「もの」のデザインのことを「意匠」というよ。たとえば、下のノート。よく文房具コーナーや学校で目にするよね。使いやすくするためにデザインが工夫されている。そんな大切なデザインを真似されないように、専門的な知識をもつ弁理士が意匠権を守るお手伝いをするよ。
キャンパスノート
コクヨ株式会社
意匠登録 第1434427号
約50年、愛され続けるロングセラー商品「キャンパスノート」
表紙·裏表紙について意匠権を取得しています。このロゴや罫線の位置は決まっており、これがキャンパスノートの特徴の1つとなっています。
こんな「もの」のデザインも 意匠権 で守られてます!
ゲームに欠かせない!
電子機器用コントローラー
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
意匠登録第1683522号
4つのボタンが四つ葉のクローバーのように寄り合わさった形状と立体的なグリップ部分があるコントローラーのデザインはPlayStation®(PS)の初代から意匠登録されている。写真は2020年に発売されたPS5®のコントローラー。
味の引き立て役!
「いつでも新鮮®しぼりたて生しょうゆ」卓上ボトル
キッコーマン株式会社 株式会社吉野工業所
意匠登録第1443164号、第1459666号
卓上で使いやすい200mlボトルは、液だれしない注ぎ口の角度が画期的で、1961年に販売された「卓上びん」のフォルムを引き継いだもの。ボトルの本体部分と注出口を意匠登録している。
まるで江戸時代みたいな空間!
回転ずし店の内装
くら寿司株式会社
意匠登録第1671153号
店内に支柱と屋根からなる櫓(やぐら)を建てて、白木のテーブルや椅子などをバランスよく配置している点が特徴。2019年の意匠法の改正で、建築物や内装も意匠として登録できるようになった。写真は「くら寿司 グローバル旗艦店 浅草」の内装。
身近ないろいろな「もの」のデザインに意匠権があるんだね
知的財産権には、ほかにもこんな種類がある!
みんなが新しく考え出したアイデア(発明)を守ります。発明を保護してみんなの生活を豊かにします。
商品やサービスにつける「マーク」や「ネーミング」を守ります。
知的財産を守るために弁理士がする仕事とは?
弁理士は知的財産の専門家です。みんなが考えた大切な発明やデザインやネーミングなどを真似するような悪い人から守る仕事をしています。
- ❶ 知的財産の相談を受けて、権利化のアドバイスをする
- ❷ 知的財産の権利化をお手伝い
- ❸ 権利が侵されたら、裁判のお手伝い
商品や建物のステキなデザインを権利にして保護する、それ、私たち弁理士の仕事です
弁理士 茜ヶ久保公二さん
皆さんが日常的に手に取る文房具·ゲーム·おもちゃ·お菓子……。どれもそれぞれに形や模様や色が工夫されていて、デザインされていますよね。最近では、コンビニエンスストアやカフェなど、街によくあるお店の中(内装)も特徴的なデザインが施されています。そうした独自のお店らしさが過ごしやすさにつながり、お客さんが集まります。
弁理士は、そうしたデザインの素晴らしさを理解し、それを意匠権という権利に育て、そして守るお仕事をしています。自らデザインはしませんが、デザイナーさんと一緒になって、そのデザインのいいところ、大事なところを話し合って、それを意匠登録に育てあげます。
お散歩や買い物の最中にデザインを見て楽しんだり、美術館巡りが好きな人は弁理士に向いていると思いますよ
弁理士については、日本弁理士会のホームページでも
詳しく説明しているよ!