会社が信頼できるかを判断する材料の1つとして、「ISO(アイエスオー) 9001」への合格があります。経営の質を高めてお客さんによりよい製品、サービスを提供するためのISO規格について、その審査を行う日本品質保証機構に聞きました。
- 品質を審査する仕事
- いろいろな検査をする仕事
- 安心と信頼を提供する仕事
会社がどんな仕組みで動いているかは外から見ることはできない。
実は、その仕組みを審査して証明している機関があります。
公正・中立な審査をするには?
ISO規格への合格は会社が正しい仕組みで動いているという証明だからこそ、製品をつくる側(企業)と使う側(お客さん)、そのどちらにも該当しない外部機関が中立な立場で審査する必要があります。このような機関は「第三者認証機関」と呼ばれており、その機関の1つが私たちJQA(ジェイキューエイ/日本品質保証機構)です。
PDCAサイクルとは?
品質改善のためPlan(プラン/計画)、Do(ドゥ/実行)、Check(チェック/評価)、Act(アクト/改善)の4つの行動を繰り返し行うこと。
ISO 9001とは?
製品やサービスの品質を保ち、お客さんの満足度を向上させるための国際的な基準。会社のルールや仕組みがこの基準を満たしているか、JQAなどの審査機関が審査し、認証を与えます。
ポイント ❶
正しく設計できる仕組みは整っている?
はじめの設計段階で不備があると、不良品ができてしまうから、お客さんの要望や法規制にしっかり対応できる仕組みが整っているかをチェック!
ポイント ❷
製造現場で働く人に直撃!
製品がつくられる現場では、どんなルールのもとに従業員が働いているかをチェックするよ。実際に質問して、ルールをきちんと理解しているか聞くことも。
ポイント ❸
製品検査の手順は十分に機能している?
製品がお客さんに届く前の検査では、その手順が正しく機能しているかをチェック! 不良品が届いてしまうことを防ぐ仕組みを確認。
「ISO」規格とは世界基準の“ものさし”
ISOとは、スイスに本部を置く国際標準化機構の略称です。主な活動は国際的に通用する基準をつくることで、ISOが決めた基準をISO規格といいます。
ISO規格は、案内標識や銀行のカードのサイズ、紙のサイズなどを定めた「モノ規格」と、会社など組織の働く仕組みの基準を定めた「マネジメントシステム規格」に分けられます。
マネジメントシステム規格のうち代表的なのはISO 9001(品質)ですが、ほかにもISO 14001(環境)など、後ろにつく数字によって異なる規格があります。いずれも、国際的な取引をスムーズに行うための世界共通の基準です。
ISO規格
モノ規格
カードや紙のサイズ、案内標識など
マネジメントシステム規格
会社のルール、組織のあり方など
紙やカードは規格が統一されているから、海外でも使えるんだね!
皆さんに代わって審査し、信頼できる会社か確認します
一般財団法人日本品質保証機構
マネジメントシステム部門 審査事業センター
副所長 兼 品質審査部 部長 大久保友順さん
皆さんがモノを買うときに、法律を守っていない会社や、不良品をつくる会社からは安心して購入できませんよね。会社がほかの会社と取引するときも同じで、相手が信頼できるかどうかを確認するときに、ISO規格への合格が判断材料の1つとなります。私たちJQAの仕事は、会社の仕組みが、ISO規格に合格しているか審査して、合格していれば「登録証」を発行して公表することです。ぜひ身の回りにあるISO規格の「登録証」や「登録マーク」を探してみてくださいね。
ISO規格について、楽しいアニメーション動画でもわかりやすく紹介しています。