大きな地震があると、なんでエレベーターは止まるの?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2024年度
株式会社日立ビルシステム

地震のときはエレベーターに乗らないのが原則。でも、もしエレベーターに乗っているときに地震が起きたらどうなるのかな? 日立ビルシステムに聞いてみたよ。

  • エレベーターの仕事
  • 建物や人の安全を守る仕事
  • 災害復旧に関わる仕事

エレベーターが故障していないかをきちんと確認して、その後も安全な運転ができるようにするためだよ。

地震の影響でエレベーターが止まった場合、エンジニアの点検後に復旧する決まりがあります。ロープの絡まりなどの故障をそのままにしておくと、安全な運転ができなくなるんだ。

まずは「地震時管制運転」で利用者の閉じ込めを防ぐ!

震度4以上のゆれがあると、「地震時管制運転」という機能が働いて最寄り階で扉を開けて利用者を降ろし、閉じ込めを防ぐよ。この機能は2009年以降に設置されたエレベーターには義務化されているんだ。日立ビルシステムではいろいろな地震に対応できるようにしているよ。

日立ビルシステムが導入しているのは…

初期微動感知地震時管制運転

緊急地震速報利用地震時管制運転

長周期センサー地震時管制運転

震度5弱クラスの地震では「ヘリオスドライブ」が活躍!

運転休止したエレベーターを自動で診断・仮復旧

「ヘリオスドライブ」は、震度5弱程度の地震で止まったエレベーターの状態を調べる診断運転を自動で行い、異常がなければ仮復旧するシステム。東日本大震災で被災したあるビルでは、エレベーターが余震を含めた6回の地震で約30時間停止すると推定されていたけれど、ヘリオスドライブのおかげで実際の停止時間は1時間12分で済んだんだ。

運転休止したエレベーターを自動で診断・仮復旧

自動で仮復旧

エレベーターが動かないと、お年寄りや体の不自由な人の移動が大変。大きな地震でエンジニアの到着まで時間がかかるときも、仮復旧できれば安心だね。その後、エンジニアが確認作業を行い、本復旧(通常運転)に戻るよ。

ガラポン

エレベーターが使えない時間をできるだけ短くするポン!

ヘリオスドライブを動画でみてみよう!

ガラポン

特長を紹介した動画は、下のリンクから視聴できるよ。

もっとりたい

地震後の素早い復旧のために、どんな工夫をしているの?

被災状況を把握・予測し、迅速にエンジニアを派遣!

大きな地震が起きると、エレベーターの運転休止台数も多くなり、復旧までに時間がかかることも。閉じ込められた人の救出や復旧を1秒でも早く行うために、日立ビルシステムではこんな体制で災害に対応しているよ。

被災状況を把握・予測し、迅速にエンジニアを派遣!
被災地

エレベーターの稼働データはIT(アイティー/情報通信)技術を活用して、24時間365日遠隔監視。このおかげで故障や損傷、災害時にも素早く対応できるんだ。

管制センター

被災地からエレベーターの稼働データを収集(地震発生直後10分間で約5000台分のデータを収集)。このデータから被災状況を予測し、復旧対象のビルを特定する。

エンジニア

管制センターの指示をもとに、エンジニアが被災したビルに駆けつけ復旧作業を行う。

情報共有アプリが大活躍!

情報共有アプリ

災害時には、対象のビルへの最適なルートやエレベーターの稼働状況を閲覧できるアプリが活躍。遠くから震災復旧のためにやって来るエンジニアも素早く作業ができるよ。

エンジニアは全国に約3000人いるんだって!

ジュン

もっとりたい

エレベーターに乗っているとき、もし停電になったら?

閉じ込めを防ぐ!

エレベーターには、停電に備える予備電源の設置が義務付けられているよ。たとえば小型バッテリーが働く「停電時自動着床装置」は、停電が起きると最寄り階まで自動運転して扉を開き、乗客の閉じ込めを防ぐんだ。その後は電力復旧まで運転休止になるんだ。

電気自動車からの給電も!
電気自動車からの給電

停電が長引くときには、「走る蓄電池」ともいわれる電気自動車から給電するシステムがお役立ち! 日立ビルシステムは、「Hybrid-PCS(ハイブリッドピーシーエス)」という装置を利用して、停電時に電気自動車からエレベーターの電力源を供給するシステムを開発したんだ。電気自動車1台でエレベーターを約15時間も動かせるんだって。

縦の移動を支える乗り物でみんなの生活を快適に

答えてくれた人

株式会社日立ビルシステム マーケティング本部
井上裕己さん(左) 水垣沙織さん

鉄道、車、飛行機など、横に移動する乗り物はたくさんあるけど、縦に動く乗り物はエレベーターなど、ごくわずかです。そんなエレベーターにはたくさんの安全装置が備えられ、万一の故障があっても利用者を守れるように工夫されています。
部品の状態を遠隔で監視したり、最新の技術で安全を守ったりするほか、スマートフォンでエレベーターを操作できたりもします。他にも、ロボットが乗るなど、安心、快適に利用できる新しい仕組みもどんどん開発しています。
エレベーターは、快適な縦移動を提供する社会インフラです。その安全性や便利さを進化させることで、生活を快適で豊かにするために頑張っていきます。

エレベーターの安全性や便利さを進化させています!

答えてくれた人