みんな大好きなポテトチップス。近ごろは味や形など種類が豊富だけど、どうやって作られてみんなの元へ届くのかな? ポテトチップスの量産に成功した湖池屋に、聞きました。
- お菓子の仕事
- 商品開発の仕事
- 環境にやさしい仕事
じゃがいも作りから、商品開発、工場での製造、営業・宣伝まで、多くの人が関わっているよ!
原料調達
原料調達のポイント
国産じゃがいも100%にこだわり
湖池屋では、創業以来日本国内で製造するポテトチップスには国産じゃがいもを100%使用しています。じゃがいもの収穫は、春先の九州産から始まり、桜前線のように収穫時期と場所が移動します。最も多く使われるのは、北海道のじゃがいも。収穫後は一定の温度を保った倉庫で保存され、冬の間もポテトチップスをつくり続けることができます。
季節や産地によってじゃがいもに含まれる水分量やでんぷんの量も変わるので、工場ではその日ごとに、揚げる温度や時間を調整して、同じ品質を保ちます。
マーケティング
商品開発
商品開発のポイント
じゃがいもに合うおいしさを日々研究!
じゃがいもは、切り方や揚げ方、合わせる食材によって風味や食感、味わいが変わります。例えば、少し厚めにスライスすれば、じゃがいもの味が強く出て、より素材の旨みを楽しめます。スティック状にすると、面積に対してフレーバーがのる割合が増えるので、塩味や辛味などを強く出せます。じゃがいもに合うおいしさ(旨みや食感など)を日々研究しています。
製造・物流
1年間に5億袋近くのポテトチップスがつくられているよ。
▲各地の工場でじゃがいもを洗い、皮をむき、スライスし、油で揚げて味付け。さまざまな確認や検査に合格した安心な商品が、全国のお店へと運ばれていきます。
製造のポイント
環境を考慮した取り組み
湖池屋は、環境を守るための持続的な取り組みに力を入れています。地球温暖化の原因のCO2(シーオーツー)排出量を減らすため、工場や事業所で省エネ対策を進めたり、灯油から都市ガス・天然ガスへ転換したりしています。
ポテトチップスを製造するときに出る廃棄物もできる限り再生利用しています。例えば、じゃがいもの洗浄で出る汚でいを乾燥させて培養土(ばいようど)に、スライスしたじゃがいもの洗浄で出るでんぷんを養魚の飼料にするなど。食品廃棄物の再生率は98%にも及びます。
営業・宣伝
こんなにたくさんの人が関わっているんだね!
1960年代当初、まだポテトチップスは一般的なスナック菓子ではなく、手作りが主流の珍しいものでした。湖池屋を創業した小池和夫は飲食店で食べたポテトチップスに感動し、多くの人に広めたいと開発をスタート。
原料、製造方法、味付けなど試行錯誤を繰り返しました。当時海外でポテトチップスは「塩味」が主流。国産だからこそ日本人に合う味にしたいと、さらに工夫を重ね、1962年に完成したのが「湖池屋ポテトチップスのり塩」です。その後、1967年に工場での量産化に成功。今では、ポテトチップスは誰もが知っている定番のスナック菓子になりました。
食べてくれた人の素敵な思い出の一部になれるように!
株式会社湖池屋 マーケティング本部
R&D本部 プロダクト開発部 第1課 課長 宮地 彩さん
商品開発で大切にしているのは、食べてくれた人の素敵な思い出の一部になれたらという思いです。何か嫌なことがあって一人で食べるときも、食べることで笑顔になれるように。お友達や家族と食べるときは「おいしいね!」の花が咲くように……味わいのひとときが、素敵な思い出の1ページになってくれればと願いを込めています。
商品の味つくりでは、パッケージがない状態でも一口食べて何味か分かるように、味の再現性を高めることを心がけています。さらに、たくさん食べてもまた食べたいと思ってもらえるように味の濃さを調整したり、心を(おなかを?)鷲づかみにするひとクセを加えたり、食べる人を飽きさせない工夫もしています。
家族や友達の「これ美味しい!」「買ったよ!」の言葉が励みになります。