観光地などで、まわりの景色に統一感があると思ったことはありませんか? それは景観色彩(けいかんしきさい)のおかげかもしれません。色が景観に与える影響について、色彩検定協会に聞きました。
- 色に関する仕事
- 環境に関わる仕事
- 検定の仕事
周りの環境と合うように建物などの色を考え、見た目に統一感を出すことだよ。
景観色彩とは
色を使って景観をコントロールすることを「景観色彩」といいます。街並みや公園、観光地の景観が統一されて見えるのも、この景観色彩のおかげです。景観法や景観条例に基づき、色彩計画を立てて、その場所にふさわしい色彩を設定することで、地域全体を意識した統一感のあるまちづくりができます。
▲ベネチア(イタリア)
▲にし茶屋街(金沢市)
色彩を意識すると街並みにも統一感が出るんだね。
色彩計画の進め方
周辺の地域を知ることから色彩計画を進めていきます。周辺の建物の色の調査には、マンセル値を測る道具を使います。
■マンセル値とは?
マンセル値とは、アメリカの画家で美術教育者のアルバート・マンセルが考えた、色を数値化したものです。色を色相(色の種類)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)の3つの数字で表現しています。数字になっていることで、色を正確に記録したり、人に伝えたりできます。
数字になっていることで色がブレずに再現できるんじゃ。
色彩設計の流れ
- 1色彩設計の条件や周辺地域を知る
- 2周辺の環境を調査し、色を測る
- 3色のコンセプトを決める(色あいや色の明るさをそろえるなど)
- 4配色や色彩の設計をする
- 5図面やパース(立体的な透視図)を使い、色彩提案をする
- 6工事の際の色見本を作ったり、工事のチェック・メンテナンスをする
良好な景観を形づくる「景観法」
景観法とは、2004年に制定された景観に関する法律です。自治体などが景観に関する計画や条例を定める際の指針となります。色彩計画は景観法にもとづいて、地方自治体が定めた「景観条例」の色彩基準にそって決められます。歴史的な街並みや国立公園などの自然だけではなく、住宅や公園、ショッピングセンターなど、私たちの身近な生活環境も対象としています。
景観条例には、さまざまなルールがある
景観条例とは、美しい街並みや良好な都市景観を守っていくために、地方自治体が制定している条例のことです。景観条例には色に関する基準もあります。使える色や色の面積が限られるなど、いろいろなルールが定められています。
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通常のセブン-イレブン
の看板 -
京都府内のセブン-イレブン
の看板
景観条例によって観光地の美観が保たれているポン。
景観条例と街並み
京都市では、2007年から独自の景観条例の「新景観政策」を実施しています。新景観政策には建物の高さやデザインのほか、その眺めや広告物まで細かく決まりがあります。写真は京都・二寧坂(にねいざか)にある「スターバックス コーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店」。町家を利用した建物や木製の看板など、歴史ある街並みに溶け込んでいます。
スターバックス コーヒー
京都二寧坂ヤサカ茶屋店
木製の看板
軒燈籠
(のきとうろう)
▲こちらの店舗にはスターバックスのシンボルカラーである、緑が使われていません
みんなの街にも色彩計画に基づいた建物があるかも。探してみてね!
街の風景から色が持つ役割を考えてみて
公益社団法人 色彩検定協会
検定推進本部 山中雄市さん
古い街並みを大切にするルールがあるのはわかりましたが、ではなぜ大切にしなければいけないのでしょう? そう感じたら、お休みの日に旅行を兼ねて歴史や文化の残る場所へ行ってみましょう! 街並みに溶け込んだ看板やお店の外観などは意識しないとわからないことも多いため、たくさんの新しい発見があると思います。そして、もしあるお店の看板だけに目立つ色を使ったら……もしこの建物だけ高さがすごく高かったなら……この街並みはどうなってしまうのか、想像してみましょう。きっと、いままでと街の見え方が変わってくるはずです。お友達やご家族も巻き込んで、ぜひ、いろいろ話し合ってみてくださいね。
いろいろ観察をしながらみんなで話すと、色が持つ役割がわかってくるはず!