真珠には、天然真珠と養殖真珠の2種類があります。人の手で作り出される養殖真珠とジュエリーについて、真珠の養殖から販売まで一貫して手がけるミキモトに教えてもらいました。
- 真珠を養殖する仕事
- ジュエリーを作る仕事
- ジュエリーを販売する仕事
真珠の養殖は日本から世界に広がったので、日本の古い単位「匁(もんめ)」が世界共通単位になったよ。
真珠の養殖は日本で始まった
真珠は、もともと天然の貝などからしかとれない、とても貴重な宝石でした。その真珠の養殖に、日本の御木本幸吉が世界で初めて成功すると、真珠は多くの人に親しまれる宝石として、世界各地で取り引きされるようになりました。このとき、日本で使われていた単位「匁(もんめ)」が、真珠の世界共通単位「momme(モンメ)」として使われるようになりました。
「匁」ってなに?
匁とは、昔日本で使われていた、重さを表す単位です。現在は、真珠の取り引きに限り使用が認められています。1匁は3.75g。ちょうど5円玉と同じ重さです。
養殖真珠は日本で発明されたんだポン!
養殖真珠ができるまで
天然真珠は、貝の中に真珠の元になる貝ヒモ(外套膜=ピース ※読み方は「がいとうまく」)の一部が偶然入り込み、貝殻のキラキラをつくる成分に覆われて、美しい真珠になります。
真珠の養殖は、天然真珠が偶然できるきっかけを、人が手助けすることです。
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真珠を生み出す貝を育てる。
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大人になった貝に小さく切った貝ヒモ(ピース)と、貝殻を丸く削った核を入れる。
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2 の貝をかごに入れ、いかだに吊りさげて、海の中で約1年〜2年育てる。
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3 の貝を引き揚げて真珠を取り出す。その中で、品質の良いものだけが宝石の真珠になる。
養殖真珠が世界の人々に届くまで
真珠が美しいジュエリーになるまでを見てみましょう。
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ジュエリーデザイナーがデザイン画を描き、それに合わせて真珠などを選ぶ。
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熟練の職人がデザイン画を元に細工を施し、真珠などをセッティングして美しいジュエリーが完成する。
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完成したジュエリーを、日本をはじめ世界各国の販売員が、真珠を求める世界中のお客さんに届ける。
世界に広がった養殖真珠
日本で発明された真珠の養殖技術は、長い年月をかけて世界の各地に伝わっています。また美しい養殖真珠の魅力は、万国博覧会などを通して、世界中に広がりました。
世界に伝わった日本の養殖技術
アコヤ真珠
日本で養殖される代表的な真珠で、アコヤ貝からとれる
クロチョウ真珠
沖縄県、タヒチ近海で養殖される真珠。クロチョウ貝からとれる
シロチョウ真珠
主にオーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどで養殖される大粒の真珠。シロチョウ貝からとれる。貝殻の内側のふちには白色と黄色のものがあり、白いものからは白い真珠(左)が、黄色いものからは黄金色の真珠(右)がとれる
万国博覧会で世界が注目!
1939年のニューヨーク万博に出品された「自由の鐘」。1万2250個の真珠と、366個のダイヤモンドが使われている豪華な作品だ! 当時「百万ドルの鐘」と話題に!!
1937年のパリ万博に出品された、着物の帯を留める「矢車」と名づけられた帯どめ。本体は分解できて、パーツを組み替えるとブローチや指輪、髪飾りなど十数通りの使い分けができるんだって!
▲帯どめの丸い部分を別のパーツと合わせれば髪飾りに!
▲さらに中央部分をはずして指輪に変身!!
真珠は日本を代表する宝石なんだ。
養殖真珠の発明にエジソンも驚いた!?
1927年、欧米視察のためアメリカに渡った御木本幸吉は、世界の発明王エジソンと会見しました。この時エジソンは「真珠の発明は自分にもできなかったこと。これは世界の驚異だ!」と驚いたそうです。
世界中の人々に真珠を届けています!
株式会社ミキモト
本店長 兼 本店顧客室長 池田礼一さん
ミキモトは真珠をはじめ、さまざまな宝石を使ったジュエリーを100年以上にわたり、世界中のお客様にお届けしています。私たち販売スタッフの役割は、お客様のニーズをくみ取り、さらにプラスアルファのご提案をもって期待に応える、そして“感動”とともに笑顔でお帰りいただくこと。そのベースになるのが、人の心を動かす「おもてなし」です。接客を通して、お客様から「ありがとう」と直接言っていただける瞬間は、とてもうれしいです。近年はSDGs(エスディージーズ)の課題にも積極的に取り組みながら、日本の文化の一つと言っても過言ではない真珠の魅力を、日本はもちろん世界に紹介しています。
お客様との出会いを大切にし、常に最高の「おもてなし」の心で接しています!