開けたドアがゆっくりと閉まるのはなぜ？
おしごと年鑑
未来を生み出す科学技術のお仕事
2023年度
わたしたちの生活に欠かせないドア。自動ドアでもないのに、開けたドアが静かにゆっくりと閉まるのはなぜでしょう？ そのしくみについてドアに取り付ける装置を製造している日東工器に聞いてみました。
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電気を使わずにバネや油圧の作用で自動的に扉を閉めるドアクローザーがついているから。
自動ドアのように電気を使ったドアでなくても、手で開けたドアが自動的に閉まるものがあります。このドアを自動的に閉めるしくみを持っているのが、ドアクローザーです。ドアを静かで安全に閉めることを可能にする製品です。バネの力で閉め、油圧の力でブレーキをかけているため、電気のない場所でもOK（オーケイ）。医療機関・オフィス・公共施設等、世界中のさまざまなドアで使用されています。
▲一般的な家庭のドアにもついているドアクローザーはこういうアーム付きのものが多いです。このタイプもバネと油圧の力でコントロールしています
こんな装置は家のドアにもついているよ。
進化しているドアクローザーのしくみ
丁番型のドアクローザーは、ドアと一体化して、すっきりとした見た目がきれいです。
ドアの閉じる位置によって速度を自動で調節するんだ！
ドアクローザーは大きくドアが開いているときには、速い速度で閉じる動作をして、ドアが閉まる直前からはゆっくりとした動きになります。これによって安全で静かに閉じられます。
いろいろなタイプのクローザーが使われているよ
ドアには、押して開けるスイングドア（開き戸）と、横に動かすスライディングドア（引き戸）があります。どちらのドアにもそれぞれ対応するドアクローザーがあり、わたしたちの身の回りのいろいろな場所で使われています。タイプごとに、どのような場所で使われているのかを見てみましょう。
スイングドア（開き戸）向け
丁番型（ちょうばんがた）
丁番と一体化してデザインを損ねない
ドアの見た目がすっきりするため、オフィスなどにも使用されます。また野外の扉などドア枠がつけられない場所にも使われています。
オフィス
門扉（もんぴ）
中心吊型（ちゅうしんつりがた）
ドアの内部に埋め込むからすっきり
ドアに埋め込まれるため凹凸（おうとつ）がありません。見えないけれど、電話ボックスや防火扉などさまざまな場所で使われています。
電話ボックス
防火扉
スライディングドア（引き戸）向け
スライディングクローザー
引き戸を安全に開け閉めできる
突然ドアが開けられてぶつかる危険がなく、安全性の高いドアクローザーです。弱い力でも軽く開けられ、病院や公共施設のトイレなどでも活躍しています。
医療施設
バリアフリートイレ
閉まる速度変化が少ないから、防火扉として安全性が高い！
ドアクローザーのブレーキは油圧を使用しています。油は気温によって粘り気が変わり、扉の閉まる速度に影響します。そのため、冬は扉の動きが鈍くなり、夏は速く閉まります。日東工器の中心吊型AFD（エーエフディー）シリーズは、周囲の温度が変わってもドアの閉じる速度変化が少なくなるように工夫しているため、防火扉としての安全性に優れています。
温度によって閉まる速度が変わらないから安心できるんだね。
より安全性の高いドアクローザーを
日東工器株式会社 建築機器事業部
建築機器営業部 東日本営業課 小川健太郎さん
日東工器の丁番型「オートヒンジ」は、マンションの門扉や室内扉、テーマパークのゲートなどさまざまな場所で使われています。一方で、ドアに内蔵されている中心吊型「オートヒンジ」は、普段は目にすることはできませんが、実はとても重要な役目を果たしています。たとえば、火事の際、煙や炎から人を守るための防火扉を安全・確実に閉めるために、当社の中心吊型「オートヒンジ」が使われています。安全性の高い日東工器のドアクローザーを多くの建物に設置してもらうため、扉を作っている会社の設計部門や施工部門、営業部門などに幅広くPR（ピーアール）しています。
多くの建物で安全なドアが使えるように。
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