私たちがいつも使っている電気製品は、本当に安全に作られているのでしょうか? 事故を防ぐための制度や取り組みについて、日本品質保証機構に聞いてみました。
- 安全を確認する仕事
- いろいろな検査を行う仕事
- 安心と信頼を提供する仕事
多くの製品で、安全性の確認や基準に合っているかの
検査を第三者機関がきちんと行っているから安全なんだ!
どんな製品でも火災を起こしたり、使っているときにけがをしたり、製品が壊れたりといった事故が起きる可能性があります。そうした製品事故のうち半数以上は、電気製品で起きています※。少しでも事故が起きないように、安全のための基準が法律などで決められており、それがきちんと守られているかをたくさんの検査で確認しています。
※出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構「2021年度事故情報収集報告書」
電子レンジもこんなに
いろいろ検査しているよ
- 1電磁波は漏(も)れていない?
- 2扉の開閉は何回できる?
- 3温度は大丈夫? やけどしない?
- 4火が出たり感電したりしない?
- 5製造工程はきちんとしてる?
事故が起きないように検査をしているから安心して使えるね!
S-JQA(エスジェイキューエイ)マーク認証が完了するまでの
工程の一部を見てみよう!
S-JQAマーク認証の依頼を受ける
1EMC(イーエムシー)試験
◀︎外部からの電磁波の影響を受けない特殊な試験室(電波暗室など)で、電磁波ノイズのレベルを確認します
中部試験センター 師勝EMC試験所
岡田雄樹さん
2扉開閉試験
◀︎扉を開閉し温める動作を10万回(1日10回使用×30年を想定)行っても庫内からマイクロ波が漏れていないかを確認します
北関西試験センター 家電機器試験課
長原幸祐さん
3温度試験
◀︎使用時に人が触れてやけどをしたり、材料が溶けたり、部品が壊れたりするような温度にならないか、各部を測定します
4異常試験
◀︎内部の電子部品が壊れたときや、よくある間違った使い方をしたときに、火が出ないか、触れて感電しないかを確認します
5工場検査
◀︎工場へ訪問して、正しく作られているか、出荷される製品もきちんと検査されて安全かを確認します
合格するとS-JQAマークで認証
S(エス)マークは、第三者によって安全性が確認された証しです
製品を作る人(メーカー)、製品を使う人(ユーザー)のどちらにも該当しない、公正・中立な立場のことを第三者といいます。JQAは、Sマーク認証を行う第三者機関のひとつとして製品の安全性を検査し、認証書を発行しています。
また、検査した製品にはS-JQAの認証マークが付けられ、それがユーザーにとって安全に使える製品を選ぶ手助けになっています。
▲私たちの身の回りにあるさまざまな家電製品も、それぞれの基準で製品の検査が行われています
家電製品の約70%がSマーク認証を受けています。
北関西試験センター 営業課 北川翔大さん
家電製品の安全を示すマークには
どんなものがあるの?
たとえばこんなマークがあるよ
-
PSE(ピーエスイー)マーク
法律で定められた安全の基準を守って作られた電気製品のしるし。
-
Sマーク
第三者認証機関によって安全性が確認された電気製品のしるし。
安全を示すマークを探してみよう!
テレビの裏、冷蔵庫の中、電子レンジの横や上などにあるよ。
縁の下の力持ち!! とても重要な仕事です
一般財団法人日本品質保証機構 安全電磁センター試験部安全試験2課
土屋 翔さん(右)、瀨田七海さん(左)
私たちは、家電製品や医療機器など、いろいろな電気製品の安全性を確かめる仕事をしています。検査する製品の中には、まだ市場に出る前のもので、新しい機能が追加されているものもたくさんあります。そのような新しい機能などについては、安全性を確認することがとても難しいです。でも私たちの検査によって、使う人の安全が守られ、新しい製品作りのお手伝いができることに、やりがいを感じています。縁の下の力持ちとして、私たちの暮らしに欠かせない大切な役目を担っています。
使う人の安全を守りながら、製品を作る側のサポートもします。