広い海を航海する大きな船には、いろいろな仕事をする人が乗っています。その中から航海士と機関士の仕事について、日本郵船株式会社に教えてもらいました。
- 船に乗る仕事
- ものを運ぶ仕事
- 世界とつながる仕事
職種によって当直制の人もいれば、デイワークの人もいて、みんなで協力しているよ。
船ではいろいろな職種の人が働いているよ
主にブリッジで働く船長と航海士、機関室を中心に勤務する機関長と機関士。通信業務や事務仕事も兼務しています。そのほかにも、調理場で働く人が乗船しています。
全長400mくらいの大きな船でも、乗組員の人数は20人くらい。それだけの人数で安全に航海できるなんてすごいのう!
甲板部(こうはんぶ)
船長の指揮のもと、船が安全に進むように操る航海士は、航海計画や救命・消火設備の点検、貨物の管理、船体整備など、船全体の安全を担います。一等から三等までの階級があります。
航海士の主な仕事
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操船
◀︎海図(海の地図)を参考にして、安全性についてもチェックしながら、これから通る航路を計画し、その計画にもとづいて操船します
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見張り
◀︎船を操る場所であるブリッジでは、航海士が24時間、4時間おきに交代で常に見張りをして、安全を確認しています
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点検
◀︎乗組員を守る救命・消火設備の点検をするのも航海士の役割です
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メンテナンス
◀︎常に潮風にさらされている船体の大敵は「サビ」。航海士が船体のメンテナンス計画を立て、指示・管理してサビを防ぎます
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交換
◀︎航海灯は真っ暗な夜の海で自分たちの船の存在を周囲に示す重要な装備の1つ。古くなった航海灯の交換も航海士の仕事です
おいしい食事は仕事の活力源!
ひとたび航海に出れば、ときには何カ月間も船の中で過ごす航海士や機関士たち。船の乗組員にとって、おいしい食事は大きな楽しみの1つ。たっぷり栄養を取って明日への英気を養います。
機関部
機関長の指揮のもと、船を動かすためのエンジンや発電機などの機械が正常に機能するよう働く機関士。航海士同様、一等から三等までの階級があります。航海によっては当直制をとることも。
機関士の主な仕事
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機関制御
◀︎数多くのメーターやスイッチ類が並ぶ機関制御室。ここから機関士が機関室内のさまざまな機器の運転状態を確認したり制御を行ったりしています
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機器チェック
◀︎機関士は毎日、機関室内にある全機器の点検を行い、正常に作動しているかどうか入念にチェックしています。機器の不調にいち早く気づくことで、大きな故障を未然に防ぐことができるのです
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整備
◀︎安全な航海に欠かせないのがこまめな整備。機関士たちが力を合わせ、部品を外して1つひとつ点検し、汚れていれば洗浄し、古くなっていれば交換します
安全な航海に必要なのはみんなのチームワーク!
日本郵船株式会社
船長 鈴木道生さん(左) 機関長 木村幸一郎さん(右)
船長の仕事は気配り屋さんです。操船はもちろん貨物を予定通りに安全に港に運ぶため、航路上の天気や他船、時には海賊情報に気を配りながら、どのように航海するか決定します。機関部は船のお医者さん。機関長はそのリーダー、院長です。船全体を把握して、調子の悪いところを見つけ出し、対策を練ります。甲板部と機関部は運命共同体です。どちらも必要な存在で、お互いに尊敬し合える関係です。
船乗りの仕事を通じて社会に貢献しませんか?
いろいろな世界を見られる面白い仕事です。