コーヒーの味や香りは、「焙煎(ばいせん)」という工程で起きる化学反応によって決まるんだって。焙煎ってどんなことをするんだろう? キーコーヒーに聞いてみたよ。
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コーヒー豆に熱を加える「焙煎」という工程で起きるメイラード反応やカラメル化が、コーヒーの風味や味に深く関わっているよ。
化学反応で味や香りを引き出す
コーヒー焙煎の豆知識
コーヒー豆に熱と圧力を加える焙煎は、コーヒーらしい色や風味を引き出すのに欠かせない工程だよ。色が茶色くなって香ばしい香りがするのは、コーヒー豆のアミノ酸と糖が結びつく「メイラード反応」によるもの。独特の苦みは、糖が酸化反応して起きる「カラメル化」によるものなんだ。
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身の回りのメイラード反応の例
ステーキや味噌
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身の回りのカラメル化の例
プリンのカラメルソース
生のコーヒー豆はこんな色
コーヒー豆は、赤道をはさんで北緯25度から南緯25度までの「コーヒーベルト」と呼ばれる地域で生産され日本に届けられるよ。コーヒー豆とは、赤いコーヒーの実からとりだした種のこと。収穫後のコーヒー豆は、上の写真のようなうすい緑色をしているんだ。
コーヒーの実は赤、花は白なんだって
焙煎の深さによって、コーヒー豆の色や味が変わってくるよ
焙煎の深さ
豆の色や味の特徴
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浅いり
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薄い茶色。すっきりとした酸味が楽しめるよ。
短時間で焙煎を終えることで苦みが抑えられ、酸味の引き立つ味わいに。浅いりは焙煎の中でも難易度が高いんだ。
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中いり
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栗色。酸味や苦みのバランスがとれた味わいだよ。
コーヒーの酸味・苦み・甘みのバランスがよい中いりは、日本で最も好まれている焙煎度合いなんだ。
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深いり
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濃い茶色。香ばしい香りや苦みが楽しめるよ。
深いりだと、長時間焙煎したからこその香ばしい香りや、苦みが引き立つよ。豆の色は、黒に近い茶褐色になるんだ。
焙煎時間が長いほど、豆の色も濃くなるんだね!
キーコーヒー自慢の焙煎機
「プロスター」で
コーヒー豆を焙煎してみたよ
最適な焙煎のためには、コーヒー豆の特性や産地、焙煎する日の天候なども踏まえて、熱や圧力、焙煎時間を調整する必要があるよ。でも、キーコーヒーの焙煎機「プロスター」なら、タッチパネルを操作するだけで、豆の特徴に合った最適な焙煎が行えるんだ。キーコーヒーが収集した豊富なデータを生かしているから、誰でもプロの焙煎士さんのような焙煎ができるんだよ。
最新技術と豊富なデータを生かしているポン!
手順1
焙煎機に生豆を入れ、焙煎時間や火力・圧力を調整し、焙煎を開始する。
酸味や苦みといったコーヒー豆本来の味わいのほか、産地や収穫時期など、いろいろなことを考えながら焙煎の調整をするよ。
手順2
コーヒー豆が茶色っぽく褐変し始めたら、火力を調整する。
コーヒー豆が茶色くなり始めたら、化学反応が始まった合図。ここから焙煎時間を短くすると浅いりに、長くすると深いりに。
手順3
火力を段階的にあげる。「ポンポン」とポップコーンがはじけるような音が聞こえたら火力や圧力を再調整する。
圧力によって細胞壁が壊されることで、コーヒー豆が爆ぜる(はじける)よ。
手順4
つくりあげたい色みになったら焙煎終了! 反応が進まないように急速に冷ます。
手早くかき混ぜてコーヒー豆を冷まし、熱による化学反応がこれ以上進まないようにするよ。
牛乳を加えたり、アイスクリームを浮かべたり、いろんな飲み方でコーヒーを味わおう。自分で焙煎したコーヒーなら、おいしさも格別だよ。家でできる焙煎の方法は、下のwebサイトをチェックしてみてね。
おうちで焙煎にチャレンジしてみよう!
コーヒーのすべてに情熱を注いでいます!
キーコーヒー株式会社 ブランド開発営業部
SP(エスピー)チーム主任 林 稔さん
キーコーヒーは1920年に創業し、コーヒー栽培から販売まで、コーヒーに携わる様々な事業を行っているコーヒーの総合メーカーです。「珈琲とKISSA(キッサ)のサステナブルカンパニー」を2030年までのメッセージとして掲げ、喫茶店文化の継承活動や、インドネシアにある自社農園で行うコーヒーの栽培試験など、持続可能なコーヒー生産の実現に向けた幅広い取り組みを行っています。
SPチームでは、セルフ型カフェ「KEY’S CAFÉ(キーズ カフェ)」や、SRS(エスアールエス)と呼ばれる自家焙煎珈琲店の開業支援などを行っています。キーコーヒーは、焙煎教室などを通じて、多くの人にコーヒーの奥深さを伝える取り組みを実践し、一般の生活者はもちろん、将来ご自身でカフェを開業したい人に対してもコーヒーの魅力や楽しさを伝えています。
こんな環境配慮も…コーヒー豆の薄皮が名刺や封筒に!
キーコーヒーは、地球にやさしい取り組みにも力を注いでいるよ。その1つが、コーヒー豆の薄皮「シルバースキン」の再利用だ。キーコーヒーで使われる名刺や封筒は、豆を焙煎したり、粉砕したりする時に出るシルバースキンを再利用してつくったものなんだよ。