コーヒーの味をつくる化学反応って?

おしごと年鑑 食べたり飲んだりに関わるお仕事 2023年度
キーコーヒー株式会社

コーヒーの味や香りは、「焙煎(ばいせん)」という工程で起きる化学反応によって決まるんだって。焙煎ってどんなことをするんだろう? キーコーヒーに聞いてみたよ。

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コーヒー豆に熱を加える「焙煎」という工程で起きるメイラード反応やカラメル化が、コーヒーの風味や味に深く関わっているよ。

化学反応で味や香りを引き出す
コーヒー焙煎の豆知識

コーヒー豆に熱と圧力を加える焙煎は、コーヒーらしい色や風味を引き出すのに欠かせない工程だよ。色が茶色くなって香ばしい香りがするのは、コーヒー豆のアミノ酸と糖が結びつく「メイラード反応」によるもの。独特の苦みは、糖が酸化反応して起きる「カラメル化」によるものなんだ。

  • 身の回りのメイラード反応の例

    ステーキや味噌

    ステーキや味噌

  • 身の回りのカラメル化の例

    プリンのカラメルソース

    プリンのカラメルソース

模様

生のコーヒー豆はこんな色

生のコーヒー豆

コーヒー豆は、赤道をはさんで北緯25度から南緯25度までの「コーヒーベルト」と呼ばれる地域で生産され日本に届けられるよ。コーヒー豆とは、赤いコーヒーの実からとりだした種のこと。収穫後のコーヒー豆は、上の写真のようなうすい緑色をしているんだ。

コーヒーの実は赤、花は白なんだって

コーヒーの実と花

焙煎の深さによって、コーヒー豆の色や味が変わってくるよ

焙煎の深さ

コーヒー

豆の色や味の特徴

浅いり

薄い茶色。すっきりとした酸味が楽しめるよ。

短時間で焙煎を終えることで苦みが抑えられ、酸味の引き立つ味わいに。浅いりは焙煎の中でも難易度が高いんだ。

中いり

栗色。酸味や苦みのバランスがとれた味わいだよ。

コーヒーの酸味・苦み・甘みのバランスがよい中いりは、日本で最も好まれている焙煎度合いなんだ。

深いり

濃い茶色。香ばしい香りや苦みが楽しめるよ。

深いりだと、長時間焙煎したからこその香ばしい香りや、苦みが引き立つよ。豆の色は、黒に近い茶褐色になるんだ。

焙煎時間が長いほど、豆の色も濃くなるんだね!

ジュン
キーコーヒー自慢の焙煎機
「プロスター」

コーヒー豆を焙煎してみたよ
プロスターはこんな機械

最適な焙煎のためには、コーヒー豆の特性や産地、焙煎する日の天候なども踏まえて、熱や圧力、焙煎時間を調整する必要があるよ。でも、キーコーヒーの焙煎機「プロスター」なら、タッチパネルを操作するだけで、豆の特徴に合った最適な焙煎が行えるんだ。キーコーヒーが収集した豊富なデータを生かしているから、誰でもプロの焙煎士さんのような焙煎ができるんだよ。

最新技術と豊富なデータを生かしているポン!

ガラポン

手順1

焙煎機に生豆を入れ、焙煎時間や火力・圧力を調整し、焙煎を開始する。

酸味や苦みといったコーヒー豆本来の味わいのほか、産地や収穫時期など、いろいろなことを考えながら焙煎の調整をするよ。

手順2

コーヒー豆が茶色っぽく褐変し始めたら、火力を調整する。

コーヒー豆が茶色くなり始めたら、化学反応が始まった合図。ここから焙煎時間を短くすると浅いりに、長くすると深いりに。

ここでメイラード反応とカラメル化がはじまるよ

手順3

火力を段階的にあげる。「ポンポン」とポップコーンがはじけるような音が聞こえたら火力や圧力を再調整する。

圧力によって細胞壁が壊されることで、コーヒー豆が爆ぜる(はじける)よ。

さあ焙煎の仕上げだ!

手順4

つくりあげたい色みになったら焙煎終了! 反応が進まないように急速に冷ます。

手早くかき混ぜてコーヒー豆を冷まし、熱による化学反応がこれ以上進まないようにするよ。

焙煎終了・いろいろな飲み方で楽しもう

牛乳を加えたり、アイスクリームを浮かべたり、いろんな飲み方でコーヒーを味わおう。自分で焙煎したコーヒーなら、おいしさも格別だよ。家でできる焙煎の方法は、下のwebサイトをチェックしてみてね。

コーヒー豆

おうちで焙煎にチャレンジしてみよう!

コーヒーのすべてに情熱を注いでいます!

答えてくれた人

キーコーヒー株式会社 ブランド開発営業部
SP(エスピー)チーム主任 林 稔さん

キーコーヒーは1920年に創業し、コーヒー栽培から販売まで、コーヒーに携わる様々な事業を行っているコーヒーの総合メーカーです。「珈琲とKISSA(キッサ)のサステナブルカンパニー」を2030年までのメッセージとして掲げ、喫茶店文化の継承活動や、インドネシアにある自社農園で行うコーヒーの栽培試験など、持続可能なコーヒー生産の実現に向けた幅広い取り組みを行っています。
SPチームでは、セルフ型カフェ「KEY’S CAFÉ(キーズ カフェ)」や、SRS(エスアールエス)と呼ばれる自家焙煎珈琲店の開業支援などを行っています。キーコーヒーは、焙煎教室などを通じて、多くの人にコーヒーの奥深さを伝える取り組みを実践し、一般の生活者はもちろん、将来ご自身でカフェを開業したい人に対してもコーヒーの魅力や楽しさを伝えています。

答えてくれた人

こんな環境配慮も…コーヒー豆の薄皮が名刺や封筒に!

キーコーヒーは、地球にやさしい取り組みにも力を注いでいるよ。その1つが、コーヒー豆の薄皮「シルバースキン」の再利用だ。キーコーヒーで使われる名刺や封筒は、豆を焙煎したり、粉砕したりする時に出るシルバースキンを再利用してつくったものなんだよ。

キーコーヒーで使われる名刺や封筒