世界中で目の悪い子どもが増えてるってほんと?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2023年度
株式会社メニコン

文部科学省の調査によると、小学生の約3人に1人が近視となっています。でも、日本だけでなく、 世界中の子どもたちの近視率が増加しています。どうして近視が増えてしまったのでしょうか?

  • コンタクトレンズの仕事
  • 研究と製造の仕事
  • 健康に関わる仕事

ゲームやパソコンなどで近くを見る時間が増えたことや、太陽の光を浴びる時間が減ったことで、視力が下がっていると言われているんだ。

地球 世界の各地域における近視の割合

世界の各地域における近視の割合

2050年には…

2050年には世界人口の半数が近視になり、そのうち10%は強度の近視になるといわれています。

2050年の近視と強度の近視の割合
参考:Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050
ドングリーン

世界の半分が近視になると予想されているのじゃ!

生活様式の変化で 近視が増加

近年、小さい頃からスマートフォンやパソコン、ゲームなどが身近にあり、長時間近くを見ることが増えています。近くばかりを見ていると、目の形も近いところが見えやすくなるように変化してしまうため、近視が進むといわれています。
また、太陽の光をたくさん浴びると近視になりにくいといわれていますが、外で遊ぶ時間が昔より短くなったのも近視が増えた原因の1つ。こうした生活様式の変化は、世界的な流れです。そのため、子どもの近視を予防し、進行を遅らせることは世界的な課題。たとえばシンガポールでは、2001年から外での遊びを推進し、電子端末を使う時間を減らす活動を実施中。その結果、小学生の近視の割合は、37.7%(2004年)から31.6%(2015年)に減少し、成果を上げています。中国や台湾でも、外で過ごす時間を増やすことに力を入れています。

日本 日本

小学生の3人に1人が視力1.0未満

文部科学省の調査によると、視力1.0未満の割合は、現在では小学生では約3人に1人、中学生が約2人に1人以上、高校生は約3人に2人となっています。約40年前と比べると、いずれも大きく増加しています。

小学生の視力の割合

出典:文部科学省 学校保健統計

近視にならないようにするには?

30分近くを見たら目を休ませる

30分近くを見たら 目を休ませる

スマホに集中しすぎて気付いたら1時間経っていた、ということはありませんか? 30分に1回は画面から離れて20秒間遠くを見たり、目を閉じて休めましょう。

太陽の光を浴びよう

太陽の光を浴びよう

太陽の光を浴びると、近視の進み方を抑えられると言われています。できれば1日2時間は外で遊んだり、散歩をしよう!

姿勢を正しく30cm以上目を離そう

姿勢を正しく30cm以上 目を離そう

本を読んだり、タブレットなどの画面を見る時は、姿勢をよくして目と本やタブレットの間は30cm以上離しましょう。姿勢が悪いと距離が近づきすぎたり、左右の目で距離に差が出たりして、目に負担がかかるからです。

近視になったらどうすればいい?

コンタクトレンズ

近視になると、目の中に入ってきた光が網膜の上できちんと像を結ぶことができなくなります。コンタクトレンズやメガネで光の入る角度を変える(矯正する)ことで、ちゃんと見えるようになるよ。

近視の場合

近視の場合

コンタクトレンズをつけると

コンタクトレンズをつけると

コンタクトレンズのココがいい!

フレームがないから裸眼のようにすみずみまで見えるし、揺れたり落ちたりしないからスポーツをする時に適しているよ。

視界が広い!

コンタクトレンズで見える範囲
メガネで見える範囲

コンタクトレンズ

メガネ

近視を進行させないための研究が世界的に行われている中で、「オルソケラトロジーレンズ」という角膜の形状を矯正して視力を改善するハードコンタクトレンズが注目されています。

オルソケラトロジーレンズとは

寝る前にレンズをつけて、寝ている間に角膜を矯正

寝る前にレンズをつけて、寝ている間に角膜を矯正

レンズをはずしても角膜の形状は保たれる

レンズをはずしても角膜の形状は保たれる

日中は裸眼で過ごせる

日中は裸眼で過ごせる

「ものを見る」ことについて考えてみてね!

答えてくれた人

株式会社メニコン
商品開発事業部 平田ひかるさん

「目でものが見える」ということは、多くの人にとって当たり前のことかもしれません。でも、その人の目にどんな世界が見えているか、それはその人にしかわかりません。目で見て判断するということはもちろん、人から話を聞いたり、肌で感じたりして、直接見えないものを想像することもとても大切。まずはこのページでご紹介した世界の子どもたちの目について想像しながら、「ものを見る」ことについて考えてみてください。

目を大切にしてね!

答えてくれた人