
みんなが大好きなアニメ。アニメに出てくる色を決める仕事があるって知っていますか? どんな仕事で、どうすればなれるのでしょうか。色に関する検定を実施している、色彩検定協会に教えてもらいました。
- 色に関する仕事
- 創作に関わる仕事
- 検定の仕事
アニメを作るのに欠かせない「色彩設計・色指定」という仕事があるよ。
色彩設計の仕事とは
色彩設計は作品の色を決める責任者です。キャラクターや小物など、作品に登場するすべての色を選び、「色指定表」という指示書を作成します。色について、監督や他のスタッフと打ち合わせをしながら、作品に合わせた色指定表を完成させます。

▲パソコンの専用ソフトを使って色を管理する
色指定の仕事とは
色彩設計が作成した色指定表をもとに、場面ごとに色を指定する仕事です。原画に色の指示を書いて、見本を作って、色を塗る作業をするペインターに渡します。ペインターが色を塗り終わった後は、指定通りに色が塗られているかを検査します。

どうやったらなれるの?
専門学校や美術の学校で色について学び、制作会社に就職します。
高校卒業
専門学校など
(ゲーム、デザイン専攻)
大学、短大など
(美術・芸術学部)
制作会社
(アニメやゲームソフト)
色彩設計
勉強も大事ケモ!


色彩設計に求められること
- 1. 色に関する知識を持っている
- 2. 色彩や色のバランス感覚、感性がある
- 3. きちんと考えて作品を理解できる
(作品の世界観をしっかり表現するため)
色に関する資格「色彩検定」とは?

色彩に関する知識を学ぶのに最適な色彩検定。試験勉強を通じて、色の基礎や組み合わせ方、利用法などを知ることができます。色彩知識を総合的に身につけられるため、アニメだけでなく、ファッション、インテリアデザインなど、いろいろな仕事で役立ちます。
ファッションやインテリアにも役に立つのね!

こういうふうにアニメの色
ができていくよ!
「深海のサバイバル!」のキャラクターの色指定を見てみよう!

劇場版「深海のサバイバル!」
東映ビデオからDVD発売中 定価4,180円(税込)
顔や目、髪の毛、洋服などの基本の色を決める

1同じ色でも明るさによって変わる
2ボタンなど見えない部分の色も必要

3靴などの小物もしっかりと色を決めておく
4靴の裏まで!
場面によっても色が変わる!
色のイメージをつかむ想像力が大切

5海の中は青っぽく
6火山帯の火の色で赤っぽく
目や表情の変化など、細かい色も必要になるよ!

7目の中や顔の影も
ここがスゴイ!
色彩設計の仕事のやりがい
●作品全体のイメージを決めることができる
●絵が得意でなくても作品に携わることができる
アニメのエンドロールに自分の名前がのるなんてかっこいいなぁ!

「人体のサバイバル!」 ©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media/朝日新聞出版・東映アニメーション
「深海のサバイバル!」 ©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media/朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会
協力:東映アニメーション ぎゃろっぷ
身の回りの色について考えるきっかけに
公益社団法人 色彩検定協会
検定推進本部 山中雄市さん
私たちの身の回りには必ず「色」があり、何かしらの影響を受けながら刻々と色合いが移ろっています。皆さんがいつも見ているアニメでも、実は色が大事な役割を果たしています。光が当たっているところや陰になっているところなど、場面が変わると色も微妙に変わります。こういうところを違和感なく見ることができるのは、しっかりした色彩設計のおかげと言えます。
普段の生活の中でも、時間帯や場所、光の当たり方、さらには電球の違いなどによって、どのように色の違いを感じられるか、観察してみるのも楽しいかもしれません。より詳しく知りたくなったら、ぜひ色彩検定の勉強をしてみてくださいね。
場所や時間による色の変化を観察してみてね!
