ビルや橋など丈夫な鉄筋コンクリートの建造物でも、古くなれば補強や修理が必要です。山奥のような人が行くのが難しい場所での工事はどのように行われているのか、第一カッター興業に聞いてみました。
- 解体・補修工事の仕事
- インフラを整備する仕事
- 環境にやさしい仕事
ホント。山奥なら山道を歩いて現場に行き、海の中なら潜水服でもぐって工事を行うよ。
どこでも行くぞ! カッター工事隊
全国各地にさまざまな建造物があり、いろんな工事が行われています。なかには山奥や海の中など人が簡単に行けないような場所もありますが、そこでもダイヤモンドカッターを使った解体・撤去(てっきょ)工事などが行われています。
CASE(ケース).1
山奥の現場
山奥での工事には、古い鉄塔の耐震補強などがあります。細い山道を重機は進んでいけないので、工事に必要な道具はヘリコプターなどで運びます。工事隊は現場まで歩いていって作業をします。
▲山奥ではクマが出ることもあるので、クマ避けの鈴を持って山道を進むよ
▲ふもとから作業現場まで2時間くらいかけて登り、ようやく現場に到着
▲山の地面に穴をあけて杭をつくる作業
クマ以外にも、カモシカ、サル、イノシシなどに出会うこともあるよ!
CASE.2
海の中の現場
海の中での工事には、ケーソン(防波堤を作るときに使う鉄筋コンクリート製の箱)や橋脚(橋を支える部分)などの切断・撤去作業などがあります。潜水服を着て水の中にもぐり、コアドリルやワイヤーソーを使って切断します。潜水工事では10m程度の深さまでもぐるのが一般的です。
水の浮力が強いので、ロープをはって体が浮かないようにして作業をする
▲水のにごりで水中の様子は20cmぐらいしか見えないこともある。目で見るより手でさわった感覚を頼りに作業をするんだ
▲切断されて海中から引き揚げられたケーソンの一部
日本では潜水士は数千人しかいないから、潜水士免許保持者はモテモテだよ
CASE.3
地下の現場
地下での工事には、地下に埋まっているガス管や下水管の切断などがあります。都市の再開発の工事では、昔の橋や地下道などがそのまま埋められていることもあるため、その撤去作業が必要な場合もあります。
▲地下道を造る工事で、じゃまになった古い下水道を撤去
▲こちらも下水道の撤去工事だ
洞窟を探検する気分が味わえるよ。やっと空が見えたときはうれしい!
CASE.4
高い現場
高所での工事には、超高層ビルの屋上でのエレベーター巻き上げ機の切断、ゴミ焼却施設の煙突の切断などがあります。どれも高所での作業になるため、展望台から見るような景色の中で仕事をします。
▲古いゴミ焼却炉の煙突を撤去。煙突の高さはなんと60m!安全第一だから墜落(ついらく)制止用器具(安全帯)は必ずつけてるよ
▲輪切りにした煙突をクレーンでつり出す
下りていくのが面倒なのでお弁当は天空で食べるんだ!
CASE.5
崩れかけの現場
崩れかけの現場の工事には、重機で途中まで解体された建物の切断や、地震で崩れてしまった建物の切断などがあります。作業中に崩れてしまう恐れもあるため、切断・撤去の作業は慎重に行われます。
▲今にも崩れてしまいそうな解体途中の建物
▲切断した壁を崩さないように慎重に下ろす
無事に切断して撤去するのが自分たちの腕の見せどころだよ!
好きな気持ちを生かせる仕事は、世の中にたくさんあるよ!
第一カッター興業株式会社
管理本部人事部人事課 髙木 優さん
人が行かないようなところでも、じつはいろんな仕事があります。人の暮らしを支えるため、誰かがそこで働いているのです。でもそれは決してつらいことではありません。たとえば冒険が好きな人なら、山奥にどんどん入っていく仕事にワクワクするでしょう。海にもぐるのが好きであれば、海の中での作業も楽しいものです。このように自分の好きを生かせる仕事は、思っている以上に世の中にたくさんあるものです。皆さんも自分の「好き!」という気持ちを大切に磨いていってください。
楽しんで仕事をしています!