2022年4月4日、日本の株式市場が大きく変わりました。ニュースなどで聞いて知っている人もいるでしょう。わかりやすく東京証券取引所に教えてもらいました。
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日本の株式市場が「プライム」「スタンダード」「グロース」という新しい3つの市場に生まれ変わったよ。
新たに誕生した3つの株式市場がこれだ!
日本の株式市場は、これまでは「市場第一部」「市場第二部」「マザーズ」「JASDAQ(ジャスダック)」という4つの市場が開かれていました。しかし、2022年4月に新しく「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの市場が誕生しました。
これまでの株式市場は4つ
- 市場第一部
- 市場第二部
- マザーズ
- JASDAQ
プライム市場
上場会社数1839社
(2022年4月4日時点)
海外でもよく知られるような大企業を中心とした市場です。上場基準は3つの市場の中でもっとも厳しく、世界の投資家に向けて英語で情報を公開する必要などもあります。
プライムは「主要な」という意味。
上場基準
株主数…800人以上
流通株式数…2万単位以上
流通株式時価総額…100億円以上など
スタンダード市場
上場会社数1466社
(2022年4月4日時点)
主に国内での事業を展開する企業を中心とした市場です。今後も安定した成長を続けながら、同時に企業の価値も高めていきたいという企業が多く集まっています。
スタンダードは「標準的」という意味。
上場基準
株主数…400人以上
流通株式数…2000単位以上
流通株式時価総額…10億円以上など
グロース市場
上場会社数466社
(2022年4月4日時点)
今後の成長が期待できる若い企業が集まった市場です。各社とも成長を実現するための計画を公開しているので、投資家はそれをしっかり読んで投資を行うことが重要です。
グロースは「成長」という意味。
上場基準
株主数…150人以上
流通株式数…1000単位以上
流通株式時価総額…5億円以上など
どうして新しい株式市場に変わったの?
世界にはたくさんの株式市場があります。その中でも魅力のある市場にたくさんの投資家が集まります。これまでよりもそれぞれの市場の特徴をわかりやすくして、上場会社の成長を支えられる仕組みにすることで、日本の株式市場の魅力を世界にアピールし、投資家たちの投資意欲を高めることがねらいです。
上場会社の成長をしっかり後押しできる市場にしたことがポイントだケモ!
旧株式市場の上場会社数
合計3770社
(2022年4月3日時点)
新株式市場の上場会社数
合計3771社
(2022年4月4日時点)
それぞれの市場区分に特徴があるんだね。
投資にも新しい変化が生まれている!「ESG(イーエスジー)投資」という考え方
世界では環境問題などへのグローバルな取り組みが広がっています。そうした中、投資にも新しい変化が生まれています。「ESG投資」と呼ばれる考え方で、環境(Environment/エンバイロメント)や社会(Social/ソーシャル)や会社の管理(Governance/ガバナンス)について、しっかり考えている企業に投資をしようというものです。企業のもうけだけを見るのではなく、企業の行いもきちんと見て投資をする人が増えています。
ESGは、投資の新しいキーワードだよ。
「SDGs」と「ESG投資」
「SDGs(エスディージーズ)」とは、2015年の国連サミットで採択された17の国際的な目標です。貧困や不平等や地球温暖化などさまざまな問題への対策を、2030年までに成しとげることを目指しています。SDGsに積極的に取り組む企業は、投資家のESG投資を呼び込みます。それがいまや世界的な流れになっています。
ESG投資を広め、よりよい社会の実現のために取り組みます!
東京証券取引所
サステナビリティ推進部のみなさん
近年、投資判断に環境、社会、ガバナンス(会社の管理)の要素を取り込んだ「ESG投資」という言葉がよく聞かれるようになりました。ESG投資はSDGsを実現するための手段の一つとしても注目されています。ESG投資が拡大した背景の一つは、世界各地での自然災害が甚大化し、気候変動対策が世界的に重要課題とされていることがあります。日本全体でも、脱炭素社会を目指すなかで、ESG投資への注目度も急速に高まっています。私たちは、ESG投資を広めることで社会貢献度の高い企業の取り組みを後押ししています。今後もよりよい社会の実現のため、一丸となって取り組んでいきます。
環境も社会も経済もよりよくしたいですね。