「空港」は世界中のあらゆる人が利用する場所です。大勢の人に喜ばれる「みんなにやさしい空港」とはどんな空港か、成田空港に聞いてみました。
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だれもが利用しやすい「ユニバーサルデザイン」を取り入れている空港のことだよ。
ユニバーサルデザインとは、「だれもが使いやすいように製品や建物などを設計(デザイン)すること」です。「だれもが」というのがポイントです。子どもも大人も、男性も女性も、障害がある人もない人も、言葉や文化が違っていても、だれもが同じように使いやすいこと、それがユニバーサルデザインの考え方です。世界中からさまざまな人が訪れる成田空港は、だれもが利用しやすい「みんなにやさしい空港」になるため、ユニバーサルデザインを積極的に取り入れています。
成田空港のユニバーサルデザイン!
「だれもが使いやすいデザイン」とは、いったいどのようなものでしょうか? 必要な情報がすぐにわかること、迷ったり困ったりしないこと、だれもが同じように使えることなどがユニバーサルデザインの原則です。成田空港で取り入れているユニバーサルデザインを具体的に見ていきましょう。
以前のデザイン
通路
どこへ進んでいいかわかりづらい。
案内カウンター
時計のほうが目立ってるケモ。
ユニバーサルデザイン その1
通路
▲通路と通路以外で色や素材を変えると、進む方向がイメージしやすい
このまま進んでいけばいいんだね。
案内カウンター
「?」のマークがよくわかるケモ。
階段
▲階段の色に差をつけると段差に気付きやすくなる
案内表示
▲案内表示は余計な情報をなくし、必要なものだけにする
成田空港はどんどん進化していくね!
通路や階段のデザインだけでなく、サービスもやさしく!
ユニバーサルデザインの取り組みは、通路や階段のような、建築物のデザインを工夫することだけで終わりません。だれもが快適に利用できるような工夫やサポートも大切です。建築などのハード面、人によるサービスなどのソフト面、両面の取り組みでユニバーサルデザインは成り立ちます。
ユニバーサルデザイン その2
▶オールジェンダートイレの設置
男女の区別なく利用できるトイレです。例えば発達障害の男性を、女性が介助しているケース。介助している女性がトイレを利用する際、介助されている男性をトイレの外で待たせるのは不安です。同じトイレの中にいても、目隠しとしてカーテンがあれば介助者のストレスも軽減できます。
▶パニックになるのを予防する「カームダウン・クールダウン」
音や光やにおい、人の目線などが苦手な人が、飛行機に乗る前に気持ちを落ち着けることができる設備もあります。気持ちを落ち着けることを「カームダウン」または「クールダウン」といいますが、国内の空港では成田空港が最初に導入しました。
▲中はほの暗く、こぢんまりとしているので、気持ちを落ち着かせることができる
案内カウンターにあるサービスの一例
ヘルプストラップ
手伝ってもらいたいことなどを書いておく
子ども向けの空港予習冊子
空港のことがわかる冊子。サイトでも入手可
空港予習冊子(くうこうよしゅうさっし)を見る
問い合わせシート
外国の人や耳が聞こえない人も指差しや筆談でコミュニケーションを取ることができる
案内カウンターでは手話での案内もしているよ。
成田空港のユニバーサルデザインは世界で高い評価を得ています!
成田国際空港株式会社
CS(シーエス)・ES(イーエス)推進部 吉田裕美子さん
成田空港は日本の空の玄関口として、世界中の様々な人に利用されています。そのため、言葉の違いや障害、性別などによる困りごとをなくし、お客様のだれもが快適に利用できるよう、障害がある人や専門家と意見を出し合ってユニバーサルデザインを取り入れてきました。その結果、世界の空港・航空会社の評価ランキング「SKYTRAX〈スカイトラックス〉社」において、上位にランクインしています。
今後もユニバーサルデザインを積極的に取り入れ、だれもが安心・安全・快適に利用できるやさしい空港を目指していきますので、ぜひ成田空港を使ってお出かけしてみてくださいね。
みんなにやさしい成田空港をぜひご利用ください!